医師専用サイト「MedPeer(メドピア)」を運営するメドピアは、会員医師を対象に「医学部新設の是非」についてのアンケートを実施した。調査は2月6日~12日にかけて実施し、4,014人から有効回答を得た。

医学部新設に賛成ですか? それとも反対ですか

医学部新設についてはこれまでも議論が重ねられてきたが、2013年12月には復興庁・文部科学省・厚生労働省が連名で、東北地方での医学新設認可に関する基本方針を発表した。その後の文科省での審査を経て「東北医科薬科大学(応募主体は東北薬科大学)」の構想が選定され、2016年春の開設に向けて準備が進められている。

一方、2008年度からは医学部入学定員を年々増やしていることから、すでに15校分の増員を行っているという見方もある。入学定員を抑制していた2009年度と比べると、2015年度の定員は9,134人で、1,509人多い計算になる。

医学部新設に賛成か反対か尋ねたところ、「どちらかといえば反対」が46.0%、「大いに反対」が27.5%で、全体の73.5%が反対と回答した。

その理由として、「地域偏在は定数が増えても変わらない」「いずれ人口減により医師の必要数も減少する」「既存の医学部の定員を一時的に増員することで十分対応可能」といった意見が多数を占めた。質の低下を懸念する声も多くなっている。

「どちらかといえば賛成」は21.0%、「大いに賛成」は5.5%で、賛成は全体の26.5%だった。「へき地枠や産婦人科枠を増やす等、医師の偏りが少なくなるようにできれば良い」「量的に充足されないと、質の向上に繋がらない」などの理由が挙げられている。