三井住友銀行は4日、鹿島建設に対し「SMBCなでしこ融資」を実施したと発表した。

このたびの実施は、建設業界初の取り組みになるという。「SMBCなでしこ融資」は、融資実行時に顧客の女性活躍推進の取組状況を独自の基準で"見える化"し、現状の取組状況の分析や今後の課題、その課題への取組事例などを提供する融資商品だという。

"見える化"は、基準の客観性および信頼性を確保するため、2012年度より経済産業省と東京証券取引所が共同で実施している「なでしこ銘柄」の選定業務を受諾するなど、豊富な知見を有する日本総合研究所に業務を委託しているという。

このたび対象となった、鹿島建設に対する診断結果は、「今後、女性活躍が期待できるグロース企業」となったという。

鹿島建設の取組み

(1) 「女性にとって働きやすい職場は、誰にとっても働きやすい職場」という観点で、工事事務所におけるシャワー室の設置や広い更衣スペースの併設など、女性による女性目線での工事現場の職場環境改善活動を実施。今後さらに全国各地の工事事務所にこの活動を普及させ、実例を共有することで、より働きやすい環境の整備や工事現場の魅力向上を推進

(2)女性のキャリア形成促進に向け、部署長の推薦と本人の希望に基づき、一般職から総合職への職務変更試験を実施し、能力に応じてより責任あるポジションにつく機会を提供(総合職に職務変更した女性からグループ会社役員への登用実績あり)

(3)一般職のキャリアアップ研修を継続的に実施しているほか、2015年度からは入社1~10年次までの総合職女性社員に対する、キャリアプランニングを中心とした研修を予定するなど、幅広い職務で女性社員のキャリア意識の向上を促進

また、今後のさらなる女性活躍推進に向け、経営トップが「女性が働きやすく活き活きと活躍している会社は活気と活力に溢れ男性にとっても働きやすく、健康で豊かな生活が実現できる。鹿島は、女性の活躍推進を通じて、鹿島や鹿島の現場で働く多様な人材が、それぞれの個性と能力を最大限に発揮できるような企業作りに取り組んでいます」と宣言し、具体的な取組の進化に向けた目標として、「技術系女性社員・女性管理職を5年で倍増、10年で現在の3倍にすることを目指す」とコメントしているという。

三井住友銀行では、「SMBCなでしこ融資」により、顧客の女性活躍推進に向けた取組みを、金融を通じて応援していくとしている。