高浜寛が長崎で生きる遊女描いた「蝶のみちゆき」を谷口ジローら推薦

「蝶のみちゆき」（帯付き）

高浜寛の新作「蝶のみちゆき」が1月30日にリイド社より発売される。

「蝶のみちゆき」は江戸時代、日本三大遊廓の1つにも数えられた長崎の丸山町を舞台にした時代もの。丸山の人気太夫・几帳と、彼女を取り巻く人間たちのドラマを描いていく。コミック乱（リイド社）にて連載されていた。

発売に合わせ谷口ジローと、「闇の国々」シリーズで知られるバンドデシネ作家のブノワ・ペータース＆フランソワ・スクイテンがそれぞれ推薦コメントを寄せた。なお30日には古山寛原作による谷口の新刊「柳生秘帖～柳生十兵衛風の抄～」も同じくリイド社より刊行される。

今、最も読まれるべき漫画がここにある。知っているようで知らない時代、美しき遊女のお話。なんとも気負いのない絵と語りのうまさが際立つ――心が揺れる。高浜寛の物語表現は描く度に高まってゆく。

本作『蝶のみちゆき』の少なからぬ魅力はヒロイン・几帳が湛える穏やかな悲しみにあり、読む者を幕末・明治の遊女の世界へと導く官能と情緒にある。私たちは初期作品からずっと高浜寛の繊細な仕事に注目してきたが、彼女はこの作品により世界的コミック作家の最高峰へ至る新境地を切り拓いたようだ。