中国でも日本の焼そばは人気だ

人気のカップ焼そば「ペヤング」の虫混入騒動にともなう生産・販売休止報道は、日本に大きな衝撃を与えた。自国の食の安全については悲観的な中国だが、このニュースに対する意見はどうなのだろうか。

中国では「ペヤング」よりも「一平ちゃん」

主に東日本で絶大な人気を誇る「ペヤング やきそば」だが、中国では知名度が低い。このニュースも「日本のカップラーメン」という呼称で報道されていることが多く、汁麺の画像が付されていたりする。ペヤングファンとしてははなはだ遺憾だ。

中国で名が売れている日本のインスタントの焼そばは「一平ちゃん夜店の焼そば」だ。最近、中国で発表された「世界の八大カップラーメン」にも入選している。このランキングにはもうひとつ日本選手が入選しているのだが、「サッポロ一番 ソースやきそば(アメリカ版)」とカッコ付きとなっている。アメリカに住む中国人にとって親しみ深いものなのだろう。

ちなみに、西日本で人気の高い「UFO」はかなり前から中国で展開している。種類は豊富で、「魚香肉絲味」「鉄板牛肉味」「四川火鍋味」などと、見事なまでにローカル化していて面白い。

「日本人は騒ぎ過ぎ」との声も

今回のニュースに対する中国人たちの感想としては、「工場を止めて検査して、商店でも全部販売中止! 日本は厳格すぎる!」「日本人はちょっとしたことに騒ぎ過ぎ」というものが散見される。

日本では中国産食品が敬遠される傾向にあるが、中国の庶民も決して自国の食の安全に満足しているわけではなく、どうすれば安全な食品を選ぶことができるかについては、日々頭を悩ませて続けている。「中国のカップ麺は日本ではやっていけないな」と自国の食品を皮肉る声には、そんな悩みがにじみ出ているように感じられる。

中国で「僕は外国食品しか口にしない」という金持ちに会ったことがある。だが、「日本食品の衛生と安全は世界に名高い。それなのにこんなことが起こるなんて。いったい安全な食品なんてあるんだろうか?」という疑問の声が上がるほど、日本の今回のニュースは世界の食の安全そのものへの提議になっているようだ。

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