帝国データバンクは12月10日、DJ機器で知られるベスタクスが、東京地裁より破産手続き開始決定を受けたと報じた。負債は約9億円の見込み。同社は「Vestax」ブランドを展開し、DJ用のミキサーやターンテーブルなどで高い評価を受けていた。

ベスタクスが2014年5月に発売したマイクロオーディオシステム「VMA-10A」

ベスタクスは、プロ用楽器の設計販売を行う椎野楽器設計事務所として1977年に設立された。1987年に社名をベスタクスへ改名し、エフェクターやプリアンプのほか、DJ向けのミキサーやターンテーブルの製造を中心に事業規模を拡大。「Vestax」ブランドのDJ機器は国内外で高い知名度を持つ。

しかしながら、景気減速や音楽機器市場の変化にともなう消費の低迷によって需要が減少。海外製の安い製品が台頭するなどの影響もあり、売上がぜん減していた。金融機関との交渉などでしのいでいたものの、資金繰りも悪化し、2014年8月末までには事業を停止していた。