厚生労働省では、平成26年「賃金構造基本統計調査(初任給)」の結果をとりまとめ、このほど公開を行った。

性、学歴別初任給の推移

大学卒の初任給、男女計は20万400円

同調査は、全国の主要産業に雇用される労働者の賃金の実態を、雇用形態、就業形態、職種、性別、年齢、学歴、勤続年数および経験年数別などに分類し、明らかにすることを目的として、毎年7月に実施している。

今回、新規学卒者の平成26年初任給(6月分)についての集計結果を公開した。対象となった事業所は、10人以上の常用労働者を雇用する民間の事業所のうち、有効回答を得た事業所で新規学卒者を採用した1万4,932カ所。

平成26年の初任給を高校卒以上の学歴別にみると、男女計、男女別ともに横ばいだった男性の大学院修士課程修了を除き、すべての学歴で前年を上回っている。

大学卒の初任給(男女計)は20万400円で、前年比1.2%増。男性は20万2,900円(同1.3%増)、女性は19万7,200円(同1.1%増)だった。高校卒では、男女計は15万8,800円(同1.8%増)、男性は16万1,300円(同1.5%増)、女性は15万4,200円(同1.9%増)となっている。大学卒は、男女とも20万円台が最も多く、高校卒は、男性では16万円台、女性では15万円台が最も多い。

小企業では、大学卒および高校卒の男女で前年を上回る

企業規模別にみると、大企業(常用労働者1,000人以上)では、高校卒の男女で前年を上回り、中企業(同100~999人)、小企業(同10~99人)では、大学卒および高校卒の男女で前年を上回った。 特に昨年よりも増加率が多かったのは、小企業の大学卒女性の初任給(19万400円)で、昨年よりも2.9%増加している。

初任給が高かった主な産業は、大学卒では男女ともに「学術研究、専門・技術サービス業」(男性21万5,400円/女性21万9,300円)、「情報通信業」(男性21万円/女性20万7,200円)だった。高校卒では、男性は「情報通信業」(17万4,200円)、「教育、学習支援業」(16万7,100円)、女性は「生活関連サービス業,娯楽業」 (16万2,800円)、「情報通信業」(16万100円)となっている。