フランスのカンヌで開催されている映像コンテンツの国際見本市「MIPCOM」で現地時間14日、モンキー・パンチ氏原作のアニメ『ルパン三世』新シリーズの製作が発表された。

『ルパン三世』新シリーズのキービジュアル

今年は小栗旬主演の実写版やアニメーション映画『LUPIN THE III RD 次元大介の墓標』が公開されたものの、TVアニメシリーズとしては、1985年に放送された『ルパン三世 PARTIII』が終了して以来およそ30年ぶり。舞台は、イタリア・サンマリノ共和国で、2015年春にイタリアRTI局が全世界に先がけ放送を予定しているという。

総監督には『ルパン三世』シリーズ(劇場版『ルパンVS複製人間』原画、劇場版『カリオストロの城』原画、カーチェイス全般)など、アニメーター・作画監督として数々の作品に参加した友永和秀氏を迎える。監督は『もやしもん』の矢野雄一郎氏、シリーズ構成は『LUPIN THE III RD 次元大介の墓標』や『TIGER&BUNNY』の高橋悠也氏が担当し、世代を超えたコラボレーションが実現している。

原作者のモンキー・パンチ氏は「新しいアニメーション・シリーズのスタートに、わくわくしています。ルパン三世の活躍に期待しています」とメッセージを寄せ、新たな『ルパン三世』シリーズの誕生について喜びをあらわに。そして、総監督の友永氏は「40年前ぼくらが観たルパンは、それまであったような子供向けのアニメと全く違っていました。大人っぽくてマニアックで、本当にインパクトが大きかったんです」と当時に立ち返りながら、「その驚きを経験した世代、当時を知らない世代両方に向けて、リアルだけれど奇想天外な味付けがされた、わくわくするアニメーションを作りたいです」と世代を超えた人々に作品を届けていきたいという。

また、矢野監督は「あえて昔の強弱のある線で荒々しい表現を試みる一方で、大人のかけひきの部分などは繊細に描いていきたいです。かっこ良くかわいく、色っぽい。そんな本シリーズの魅力が明確に引き出せたらと思います」とこれまでの『ルパン三世』シリーズを引き継ぐ部分についても言及。シリーズ構成の高橋悠也氏は、「いつの時代も変わらないルパンと、今の時代だからこその新しいルパン。一見矛盾する二つのテーマを可能にするのが、ルパンという作品の無限の魅力なのではないかと思っています。その可能性に真正面から挑み、世界に羽ばたくルパンの大冒険を紡いでいきたいと思っています」と意気込みを語っている。

そして、プロデューサーの浄園祐氏は「ここ数年『峰不二子という女』、『次元大介の墓標』といったエッジのたったスピンオフを手がけてきたのですが、久しぶりにどまん中のルパンに取り組みます」と決意を示している。

モンキー・パンチ(C)TMS