『猿の惑星:新世紀(ライジング)』(9月19日 日本公開)で、主人公の猿・シーザーを熱演したパフォーマンス・キャプチャーの第一人者アンディ・サーキスは、俳優として来年度のアカデミー賞の候補になるべきではという論争が、今ハリウッドで巻き起こっている。そしてこのたび、サーキス本人がこの論争について思いを語り、彼の演技に圧倒される特別映像も公開された。

主人公の猿・シーザーと、シーザーを演じたアンディ・サーキス

本作では、演者のリアルな動きと繊細な表情を取り入れるパフォーマンス・キャプチャーを駆使し、猿のシーザーを映像化。サーキスの顔は一切出てこないが、シーザーの表情や感情は観客に訴えかけ、彼の演技によってエモーショナルで重厚なドラマに仕上がった。そして、本作を鑑賞した米マスコミ関係者から、シーザーを演じたサーキスに称賛が集まり、米国有力誌がこぞってサーキスへの正当な評価について、アカデミー賞のあり方を報じている。

サーキスは、『ロード・オブ・ザ・リング』のゴラム、『キング・コング』のキング・コングを熱演し、『スター・ウォーズ』最新作への出演も決定。出演作品1本あたりの平均興行成績は、トム・クルーズやジョニー・デップをはるかにしのいでいる。以前からサーキスは「パフォーマンス・キャプチャーは、アカデミー賞の演技部門に含まれるべき」と公言しているが、アカデミー賞の投票権を持つ俳優の中には、自身の立場を脅かす彼らの評価に異論を唱える人もいる。

そして、本作の世界的大ヒットにより生まれた今回の論争について、サーキスは「映画界の方々に認められるのはとてもうれしく素晴らしい事。私のパフォーマンス・キャプチャーを通した演技が評価されるんだということがわかり、大変満足感を得ています」と喜び、「私たちがやっているのは実写の俳優と同じ。演技をしているのだから、それを認めてもらえ、この仕事を知ってもらえるというのはとても重要な事でもある」との考えを示した。

また、本作での演技について「シーザーは今まで演じた中でも最もチャレンジな役柄でした。言葉をあまり話さない中、どうやって表情と動きで感情を表現するかというのはとても大変な演技でした」と語り、「この場面なら彼はどう自己主張するのかなど、いろいろ考えながら一生懸命作り上げたキャラクターです」と思いを明かした。

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