新関西国際空港会社は9月2日、大阪国際空港(伊丹空港)ターミナル改修プロジェクト「Speedy&Smart 都市型先進空港 ITM」の始動を発表した。

完成イメージ。グランドオープンは2020年春の予定

2016年秋に一部を先行オープン

この改修プロジェクトは、伊丹空港のターミナルビルが大阪万博開幕を控えた1969年にオープンして以来の大規模改修であり、2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催に向けて万全の態勢を整えることを目指している。

改修プロジェクトでは、ターミナルビルの「安全・安心の強化」「環境・地域との共生」とともに、出発・到着時における利用者の動線を抜本的に見直し、最新のIT技術も積極的に取り入れ、スピーディーでスムーズな移動を実現していく。さらに、ターミナルビル内も快適・便利な空間とし、商業エリアも魅力あふれるものに全面リニューアルすることで、スピーディーでスマートな都市型先進空港を構築するという。2015年春に工事を着工、2016年秋には中央エリアを先行オープンし、2020年春にグランドオープンする予定。

主な改修内容

スピーディーでスムーズな移動(ビジネスユースへの対応強化)
■出発動線
・モノレール駅からは新しいペデストリアンデッキにより、2階保安検査場まで階層移動なく直行可能
・バス降り場は出発ターミナルビルの前に配置し、チェックインカウンターや保安検査場までの移動はよりスピーディーに
・駐車場との間の横断歩道にはルーフを設置し、雨の日もぬれずに移動可能に
・セキュリティーチェックや出発手続きは、インラインスクリーニングシステムの導入でよりスムーズに。セルフバゲージドロップ導入等も検討
・保安検査場は拡張により待ち時間を短縮し、よりスムーズな通過が可能に
・搭乗口まではムービングサイドウォークの設置で、よりスムーズな移動が可能に
・小型機対応フィンガーの新設により、MRJ等の小型機にも搭乗橋でスムーズに乗降可能に

小型機対応フィンガーも新設する

■到着動線
・到着口は中央2階に集約し、新しいペデストリアンデッキにより各交通機関にダイレクトに接続。次の目的地に向けてスピーディーな出発が可能に
・到着ロビーではIT・デジタルサイネージにより交通情報を提供し、利用者の各交通機関の選択を的確にサポート

スムーズな到着動線(改修後)

快適・便利な空間(もっと快適に使いやすく)
・到着口の集約に合わせ、新しい到着ロビー(3階まで吹き抜け)を開設(中央2階)
・到着口を見下ろせるロビースペース、カードラウンジ、ビジネスサポートセンターも備えた空間を新設(中央3階)
・ゲートラウンジは全面リニューアルし、段差の解消や点字・多言語の案内標識の整備を実施(ユニバーサルデザイン対応)
・全館Wi-Fiの導入で、ターミナル内どこでもインターネット利用可能に

魅力的な店舗展開(食べて買って楽しめる空港へ)
・大阪・関西の活気あふれる2つのテーマゾーン(飲食・物販)の展開(中央2階到着ロビーの両サイド)
・ゆったり過ごせるダイニングスペースの展開(中央3階)
・選びやすく買いやすいお土産店、カフェ、コンビニ、個性ある物販飲食店舗の展開(出発エリア)
・搭乗前のひと時を快適・便利に過ごせる店舗の展開(ゲートラウンジ)

環境・地域との共生(さらに環境と地域にやさしい空港へ)
・雨水の中水利用、照明のLED化、空調の高効率化
・飛行機が間近に見える屋上展望デッキを拡張
・地域の人も楽しめるイベントにも利用可能なスペース(中央3階)

安全・安心(さらに安全・安心な空港へ)
・フィンガー建て替えにより耐震性を強化
・全館の改修により防火性・避難性を強化