22日、呼値適正化のフェーズ2が実施された。TOPIX100構成銘柄においては、板画面に小数点表記が入ると共に、8本板で目視可能な価格幅が狭くなっている。カブドットコム証券は同日より、kabuステーションにおいて8本板画面などのフル板画面以外の全ての板画面を、東京証券取引所の相場報道システムであるFLEX Standardに加え、フル板サービス向けとして提供されるFLEX Fullとを組み合わせて従来通りの広い価格幅の板画面を提供するよう内部的な情報配信基盤を大幅にリニューアルした。

このたび、最大140本の小数点を含む板情報を整数単位に集約した上下8本の板表示を行う「サマリー板」を提供する。これにより、従来どおりの視認性は確保しつつ、最良気配は小数点表記を残す事で、呼値適正化のメリットを最大限に活用する事が可能となったという。サマリー板の利用にはフル板オプション契約が必要。

サマリー板の開発画面。機能や外観は変更する場合がある

サマリー板機能の特徴

  • 1円単位の従来の板表示へワンクリックで通常表記(小数点)と整数サマリー表記の変更が可能

  • TOPIX構成銘柄であれば画面数の制約なく整数に集約された板表示が可能

  • 整数にサマリーをしても、最良気配は確認できるように表示

呼値適正化について

  • 22日(火)より、TOPIX100銘柄を対象として呼値の適正化フェーズ2(小数点が発生)が実施された

  • 東京証券取引所は、「スプレッドコストの低下による価格改善効果の恩恵が中長期投資を志向する個人投資家・機関投資家を含む幅広い投資者に提供される事を目的としたもの」と表明している

  • 一方、この対応に関しては、ネット証券や対面営業を中心とする証券会社を含む多数の取引参加者に対するヒアリングも実施されておいて、いくつかの懸念材料も提示されていた

取引参加者からの懸念事項について

  • HFT(高頻度取引)への対策。細かい呼値かつ高速な注文によって個人投資家がHFTなどに対抗できずトレーディングの機会が大きく減少する

  • システム面の懸念事項として、「注文件数の増大」、「約定率の低下」

  • 呼値の単位が細かくなるため、目視可能な価格幅が狭くなり、取引を行いづらくなる