歌舞伎役者の尾上松也が、テレビ東京系列で2015年に3夜にわたって放送される、百田尚樹原作スペシャルドラマ『永遠の0』に出演することが1日、明らかになった。

景浦介山役でドラマ『永遠の0』に出演する尾上松也

テレビ東京50周年特別企画として放送される本作は、「臆病者」「卑怯者」と周囲から評されながらも、天才的な操縦技術を持った零戦パイロット・宮部久蔵の生涯を描いた物語。V6の岡田准一が主演を務めた昨年12月公開の映画が大ヒットを記録したのに続き、俳優の向井理主演でドラマ化される。

尾上が演じるのは、戦時中の景浦介山。本格的な出演は初めてという現代ドラマで、初の丸刈り頭の役に挑む。景浦介山は、1943年(昭和18)年、二飛曹としてラバウル基地で飛曹長の宮部とともに過ごしたすご腕の零戦パイロット。宮部を「殺したいほど憎んでいた」という男で、その後、鹿屋基地で特攻に行く宮部と再会する。戦後は、暴力団幹部となる。

初日を終えた尾上は「戦時中にタイムスリップしたみたいな。そんなセットでした。自分も役の衣装を着ているし、おのずと気合が入っております」と心境をコメント。そして、自身の役について「彼の今までの生きざま、今後の生きざまにつながっていくような芝居ができたらなと。宮部を憎くて殺したいということだけでなく、憧れがあるような複雑な思いを抱えていると思うので、そういう心情も表現できたら」と語り、「ただ威勢を貼るだけではなく、その中にその繊細さを出せるようにと。男気もあり、複雑な思いを抱えた人間ですから」と加えた。

また、「僕は戦争を経験していない世代ですが、戦争があったという事実を決して忘れちゃいけない」と言い、「同じ過ち、争いを繰り返さないためにも、このドラマを通じて戦争を知らない世代に伝えていくことが非常に大事なことじゃないかと。なので、僕らが役者として演じさせていただくことには責任を伴うと思います」と意識。続けて、登場人物の宮部久蔵などは「ほんの一部」だと言い、「他にも数え切れないことがあったと思うので、戦争を経験した人にも見てほしいです。そして、その重みを若者にも伝えてほしい」と呼びかけた。