厚生労働省はこのほど、平成25年の「職場での熱中症による死亡災害の発生状況」をとりまとめて、熱中症対策の徹底を呼びかけた。

熱中症による死亡者数の推移 

とりまとめによると、昨年、職場での熱中症による死亡者数は30人とのこと。平成24年よりも9人多くなっているという。業種別にみると、「製造業」が4人から7人、「農業」「運送業」が0人から1人、「その他の事業」が2人から9人とそれぞれに増加。反対に「建設業」は11人から9人、「林業」は2人から1人と減少。「警備業」が2人から2人で同数となっている。その他業種のうち「派遣業」が3人、そのうち「製造業」への派遣は2人だったという。

また、死亡した30人の状況をみると、基本的な対策が採られていなかったことが明らかとなった。WBGT値(暑さ指数)の測定を行わない。計画的な熱への順化期間が設定されていない。定期的な水分・塩分の摂取を行っていないなどがあげられる。

同省によると、職場での熱中症予防については、WBGT値の測定による暑熱の状況の把握や健康管理などの対策を定めているという。今年の夏は、気温が平年並み、またはそれ以上となることが予想されており、熱中症による労働災害が多く発生することが懸念される。WBGT値が基準値を超える場合、作業計画の見直しを行うなど、今年の夏も対策の徹底を呼び掛けている。