井の頭自然文化園(東京都武蔵野市)では、3月17日に国内初の人工授精でアムールヤマネコの赤ちゃんが誕生した。赤ちゃんは、1カ月後の4月17日には体長が出生当時よりも10センチ以上も大きくなるなど、順調に成長している。

お母さんといっしょ

体にはだんだんと斑紋が出現

アムールヤマネコの赤ちゃんは、出生当初の体長は、15センチにも満たないほどだった。しかし、3月末には体長20センチ以上、1カ月経過した4月17日には25センチ以上を記録。ふわふわの毛玉のような体だったが、頭部にはくっきりとしま模様が見られるようになった。その後、徐々に体には斑紋が認められるようになっている。

また、出生当初は閉じたままだった瞼(まぶた)は、生後2週目ほどでうっすらと開き始めた。今では完全に開眼しており、かわいらしい顔を見ることができる。

モニターにリアルタイムの映像を放映

母親となったミズキは、子に対する愛情が非常に強く、動きが活発になった赤ちゃんの相手をしたり、毛づくろいをしたりと熱心にケアしている。しかし、赤ちゃんを守ろうと必死になるあまりか、慣れているはずの飼育担当者が給餌に入ろうとすると威嚇する場合もあるという。

カメラ目線!

同園では、巣箱の上に設置した暗視カメラの映像をモニター越しに観察している。直接、アムールヤマネコの赤ちゃんに対面した飼育員はいないため、子の性別もわかっていない。初めて赤ちゃんヤマネコに対面できるのは、初回の予防接種を行う60日齢を迎えた後になるとのこと。

現在、同園ではツシマヤマネコ展示施設前の大モニターに、アムールヤマネコの赤ちゃんが日々育ってゆく様子がよくわかるよう、リアルタイムの映像を放映している。公開は、2013年度末に改修整備したヤマネコ1号舎を予定している。