財務省は8日、2014年2月の国際収支状況(速報)を発表した。それによると、海外とのモノやサービスの取引状況などを示す経常収支は6,127億円の黒字となり、5カ月ぶりに黒字に転じた。黒字幅は前年同月と比べて370億円(5.7%)縮小した。

貿易・サービス収支は7,628億円の赤字で、赤字幅は前年同月より70億円拡大した。赤字は23カ月連続(季節調整値ベースでは36カ月連続の赤字)。

貿易収支は5,334億円の赤字で、赤字幅は前年同月比で73億円の縮小。赤字は20カ月連続となる。鉱物性燃料や自動車を中心に輸出が増え、液化天然ガスや半導体等電子部品を中心とした輸入の増加を上回ったため、赤字幅は縮小した。

輸出額は前年同月比8,058億円増の5兆9,411億円で、12カ月連続の増加。輸入額は同7,985億円増の6兆4,745億円で、16カ月連続で増加した。

経常収支(出典:財務省Webサイト)

また、同省関税局がまとめた2014年2月分貿易統計(通関ベース)によると、輸出額は前年同月比9.8%増の5兆7,993億円となった。主要地域別では対中国が同2,326億円増、対EUが同746億円増など。商品別では、鉱物性燃料が同547億円増、自動車が同334億円増、プラスチックが同287億円増などとなった。

輸入額は前年同月比5,452億円増の6兆6,018億円。主要地域別では、対米国が同1,003億円増、対ASEANが同974億円増など。商品別では、液化天然ガスが同685億円増(数量は同0.2%減)、半導体等電子部品が同637億円、自動車が同469億円増などとなった。

サービス収支は1,934億円の赤字で、赤字幅は前年同月比で143億円拡大した。輸送収支と旅行収支が赤字幅を縮小した一方、その他サービス収支が赤字に転化したことから、赤字幅が拡大した。

第一次所得収支は1兆4,593億円の黒字で、黒字幅は前年同月比で505億円拡大した。直接投資に係る配当金・配分済支店収益の支払増加等により直接投資収益が減少したものの、証券投資に係る配当金の受取増加等により証券投資収益が増加したため、黒字幅は3カ月連続で拡大した。