JR西日本は9月14日から12月13日まで開催される「和歌山デスティネーションキャンペーン」(和歌山DC)に合わせ、自己充電型バッテリー車両「Smart BEST」を使用する新たな観光列車を運行する。「Smart BEST」が営業運転を行うのはこれが初めてとなる。

自己充電型バッテリー車両「Smart BEST」を使用する観光列車の外観ラッピングイメージ

「Smart BEST」は、近畿車輛が開発した非電化路線向けの充電型バッテリー電車。最小限の充電用小型ディーゼル発電機と大容量バッテリーを搭載し、車両搭載の発電機で充電したバッテリーからの電力を主体に、モーターを駆動させて走行する。これまでJR西日本・JR四国管内で走行試験を行ってきたが、営業運転を行うのは今回が初となる。

運転区間は、西日本でも屈指の美しい海岸線が楽しめるきのくに線(紀勢本線)新宮~串本間。運転区間の約4分の1を占める海岸線の眺めを堪能してもらうため、海側の座席はすべて窓向きに設置するという。発電・充電状況を表示するエネルギー表示ディスプレイや、観光情報などを放映する大型ディスプレイも車内に設置。観光イベントやおもてなしを実施するためのイベントスペースも設けられる。

外観には、海外でも人気の「ハローキティ」が紀南エリアの観光地を紹介するイメージのラッピングを施す。2両編成で、定員は48名の予定(全席指定席)。列車名については、公募の実施の有無も含め、後日発表となる。

「Smart BEST」による観光列車は、和歌山DC期間中の土休日(計33日)に、快速列車として1日4本を運転する予定。運転時刻は、新宮駅発が9時30分頃と13時頃。串本駅発が11時頃と15時頃。途中、那智駅、紀伊勝浦駅、湯川駅、太地駅、古座駅の各駅に停車する。所要時間は約1時間30分となる見込み。営業運転前の展示会や試乗会も計画されており、JR西日本では内容が決まり次第、発表するとしている。