大阪市の橋下徹市長が6日に行った記者会見で、「うめきた2期区域」の開発にともない、「なにわ筋線」について、「市として正式に検討開始する」と表明している。

関西空港駅発着の特急「はるか」。現在、新大阪~天王寺間では東海道本線支線や大阪環状線などを経由している

「なにわ筋線」はJR新大阪駅から、「うめきた」(JR大阪駅北側、梅田貨物駅跡地を中心とするエリア)を経由し、難波付近でJR線・南海線とつながる鉄道計画。2004年10月の「近畿圏における望ましい交通のあり方について(答申第8号)」では、「関西国際空港へのアクセス機能の強化に資する路線」「大阪市の拠点を貫通し、鉄道ネットワークの強化などに資する路線」とされていた。

大阪市は現在、「うめきた2期区域」(うめきた地区の西側部分)のまちづくりに取り組んでおり、その一環で東海道本線支線(貨物列車や特急「はるか」「くろしお」などが通過)の地下化と、関西国際空港と直結する新駅設置の基盤整備の推進が確認されている。

橋下市長は記者会見で、「いまの計画だと、この路線は大阪環状線につながるが、大阪環状線はキャパシティがいっぱいいっぱい。東海道本線支線を地下化するのに単線でしかレールを敷けないのも情けない話で、時間を短縮し、複線化もできる『なにわ筋線』はどうしても必要になってきます」と説明。大阪府とも協力し、財源の問題なども含め検討するとした。

「なにわ筋線」の実現により、関西国際空港から大阪市内、さらに京都方面ともアクセス強化が図られることから、外国人観光客の増加も期待されている。中間駅も設置する意向で、「大阪の都心部から関空に直接アクセスできることで、利便性は格段に高まる。このメリットは計り知れないものがありますよ」と橋下市長は述べていた。