35歳以上での出産である「高齢出産」。妊娠、分べん時においてリスクがあるとされているが、女性の高学歴化、晩婚化により、年々高齢出産の傾向にある。様々な覚悟をしながらも、実際に高齢出産に挑み、育児を続ける女性たちに、高齢出産ならではの苦労や感じることをたずねてみた。
まずは実際に妊娠・分べん時にリスクを乗り越えたと答えた人の経験談から。「妊娠糖尿病になりかけたり、分べん時間が異常に長かったりと、高齢出産じゃなかったらこんなに苦労しなかったのかなと思った」(36歳会社員 0歳女児)。
「2人目が39歳で高齢出産。28週で前期破水で入院し、34週での出産となった上に、陣痛中に逆子になるなどトラブルが続いた。産んだ後も身体が大変。1人目は何の問題もなかったので、明らかに年齢の差を感じた」(45歳パート 15歳女児・6歳男児)。
一方、妊娠・分べん時は問題なく過ごせたものの、その後の育児では肉体的な困難を挙げる人がほとんどだった。「生後2カ月くらいの時に、抱っこによるけんしょう炎と腰痛に悩まされ、もっと若かったらこんなことで悩まなかったろうに……と思った」(39歳会社員 0歳男児)。
「33歳と37歳で出産したが、男児のパワーについていくことに体力不足を感じたり、2人目の妊娠中はぜん息気味になり、1人目の時にはない衰えを感じた。年齢的にも体力的にも3人目はないと思った」(38歳主婦 5歳男児・1歳女児)。
日常生活でも感じる"年齢の差"
やはり高齢での妊娠・出産は可能ではあっても、子育てには相応の体力が必要で、覚悟がいるようだ。また、日々の行動などで高齢出産を実感するという声もあった。
「ベビーカーを乳母車と言ってしまうとき、年齢を感じる」(38歳会社員 1歳女児)。
「自分自身は高齢出産ではなかったが、高齢出産の人はママ友に溶けこむのも大変そうだなと思うことがある。妙に距離を置かれて、"さん"付けで呼ばれていたり……」(37歳主婦 7歳・3歳男児)。
確かに、子供が保育園や幼稚園、学校へ通って社会生活を送るようになると、保護者の年齢層の幅の広さに驚き、年齢を意識せざるを得ない機会が多くなる。高齢出産は無事に産んでからも闘い。その後も続く葛藤は年齢には関係ないものだが、子宝という恵みを噛みしめながら苦難を乗り切っていきたいものである。