梅雨時期の浴室内の平均温度は28℃、冬場は16℃

ライオン リビングケア研究所はこのほど、季節による浴室のカビの生育についての研究結果を公表した。

黒カビの増殖に適した高湿度になっている時間は、冬場も梅雨時期と同程度

季節による浴室の温度・湿度の違いを調べるため、首都圏の6家庭の浴室に温度計と湿度計を設置し、梅雨時期と冬場のそれぞれ1か月間の温度と湿度を計測した。その結果、梅雨時期の浴室内の平均温度は28℃であるのに対し、冬場の浴室内の平均温度は16℃にとどまることがわかった。

一方、湿度については、梅雨時期も冬場も黒カビの増殖に適した高湿度(85%以上)になっている時間は、1日のうちで同程度であることがわかった。

梅雨時期も冬場も黒カビの増殖に適した高湿になっている時間は、同程度

これらの結果より、冬場の浴室は梅雨時期と比べ、温度は低くても湿度の高い時間は同様にあり、黒カビが発生するリスクはあると考えられる。

冬場にも梅雨時期と同じ程度のカビが生えている

次に、首都圏の、梅雨時期と冬場の浴室環境を再現した条件で、黒カビの生育状況を比較した。その結果、梅雨時期の条件で生えたカビは、はっきりと黒く認識できるのに対し、冬場の条件では、色が薄く、認識しにくいことがわかった。

梅雨時期のカビは黒く、冬場は色が薄い

一方、生えたカビの大きさを比較したところ、季節条件の違いによる差は小さく、菌数も差がないことを確認。すなわち、どちらの季節条件でも同じ程度、カビが生育していることがわかった。

季節条件の違いによるカビの大きさ、菌数の差は少ない

そこで、家庭の浴室に生えているカビの実態を把握するため、冬場の浴室におけるカビの発生状況を調べた。首都圏の家庭を対象に調べたところ、カビが検出された所のうち、生えていると生活者が認識できた所は、全体のわずか1割。同様の調査を梅雨時期に行ったところ、カビが検出された所のうち、生えていると生活者が認識できた所は、全体の8割以上に及んだ。

同社では以上の結果より、家庭の浴室では、冬場のカビは色が薄く認識しにくいため見逃されがちだが、冬場も梅雨時期と同様にカビが生えているため、梅雨時期と同様のカビ対策が必要であると考えられるとしている。