Bluetooth Special Interest Group(Bluetooth SIG)は5日、Bluetooth無線技術の最新仕様「Bluetooth 4.1」が策定されたことを発表した。主に、以下の3つの領域において強化が図られている。

1つは、携帯電話の通信規格「LTE」をはじめ、各種の携帯電話技術との共存サポート強化だ。これらとBluetoothはシームレスに連携するように設計されており、BluetoothとLTEの無線通信ではデータ転送を調整することで、近い周波数帯との相互干渉を抑制。調整は自動的に行われるため、高品質のユーザー体験を提供するとしている。

2つめは、接続性の改善だ。Bluetooth間の再接続にかかる時間を柔軟、かつ可変に設定できることで、開発者はBluetooth接続の確立と維持を制御しやすくなったという。また、デバイス間の距離が近くなった時点で自動的に再接続するため、ユーザー体験の向上につながる。例えば、デバイスを持って部屋を出ると別のデバイスに接続し、再び部屋に戻ると元のデバイスに自動で再接続する(この接続処理にユーザー操作は不要)。

そして3つめには、データ転送の高速化と効率化を掲げ、Bluetooth Smart技術で大量のデータ転送が可能になった。具体例としては、Bluetoothセンサーの場合を挙げている。利用者が、ジョギング、サイクリング、水泳といった活動をしている間にデータを収集し、帰宅時したとき効率的にデータ転送を行うという。

なお「Bluetooth Smart」とは、Bluetooth 4.0の仕様に含まれる低消費電力通信「Bluetooth Low Energy」に対応する機器を指す。Bluetooth Smartデバイスの接続先となる機器は(Bluetoothホスト側で「ハブ」と表現されることが多い)、Bluetooth Smart Readyと呼ぶ。

今回のBluetooth 4.1では、1つのデバイスをBluetooth Smart対応機器およびBluetooth Smart Readyハブ機器として、同時に機能させられるようになった。例えば、1台のスマートウオッチをスマートフォンに接続しながら、Bluetoothセンサーをスマートウオッチに接続して情報伝達といったことが可能だ。この場合、スマートウオッチとスマートフォンの接続は、スマートウオッチが「接続する側」、スマートフォンが「接続される側」になる。一方、スマートウオッチとBluetoothセンサーの接続は、スマートウオッチが「接続される側」、Bluetoothセンサーが「接続する側」だ。

そのほか大きなトピックとして、Bluetoothデバイスそのものがインターネットに接続するための基盤が整備されたことがある。IPv6通信を利用する専用チャネルを構築することで、将来的なIP接続プロトコルに見通しが立った。Bluetooth 4.1では、Bluetooth SmartセンサーのIPv6利用も実現され、Bluetooth SIGでは「モノのインターネット」という命題として取り組んでいる。

2013年11月6日に行われたBluetooth SIGの記者説明会より。そこでも「モノのインターネット」が強調されていた