公開初日を迎えた劇場アニメーション作品『攻殻機動隊ARISE border:2 Ghost Whispers』の初日舞台あいさつが11月30日、東京・TOHOシネマズ六本木ヒルズで行われ、草薙素子役坂本真綾、ロジコマ役沢城みゆき、バトー役松田健一郎、黄瀬和哉総監督、シリーズ構成・脚本の冲方丁、『border:2』の竹内敦志監督、製作総指揮の石川光久社長が登壇した。

左から黄瀬和哉総監督、冲方丁、沢城みゆき、坂本真綾、松田健一郎、竹内敦志監督、石川光久社長

『攻殻機動隊ARISE』は、士郎正宗の原作コミックを押井守、神山健治ら名だたるスタッフがアニメ化してきた『攻殻機動隊』シリーズの最新作。数多くの歴代シリーズで作画監督やキャラクターデザインを担当してきた黄瀬総監督のもと、シリーズ構成・脚本に冲方氏を迎え、キャスト陣を一新して製作された新たな『攻殻機動隊』だ。全4本予定の劇場版の各作品に監督を置く構成で、『border:2』は石川社長も才能を絶賛する竹内敦志が監督を務めている。

上映初日を迎えた坂本は「上映が終わった瞬間に自然に拍手が起こってうれしかったです」と感慨深げ。本作は、草薙素子が公安9課の隊長となる以前の前日譚を描いているため、作中では(後の)9課メンバー同士の対決が大きな見どころとなるが、冲方氏は「情報量が多い作品なので課題が多いんです。9課対9課で一度にメンバーを見せつつ、新しい面を見せることを考えました」と構成における苦労を明かす。バトーを制圧するシーンの感想を問われた坂本が「気持ちがいい」と即答すると、制圧される側の松田も「気持ちがいい」と語って会場を笑わせた。素子の強さについては冲方氏が、「登場人物の誰もが過去を見てそれに囚われている中、素子だけは未来を見て蹴散らしていくんです」と語ると、坂本も「素子自身が外の世界に出て自分の道を歩み始めて、いきいきとやるべきことを探している姿が見えて、新鮮だな、かわいいなって思います」と返していた。

そして、『border:2』舞台あいさつに初登場したのが、ロジコマ役の沢城みゆき。ロジコマは歴代シリーズに登場する「タチコマ」たちの前の世代と思われる多脚戦車で、メカニカルな外観や戦闘力とはイメージの違う、脳天気でかわいらしいキャラクター性が魅力。沢城は絵で動くロジコマのあまりのかわいさに、アフレコ時はたくさんアドリブを入れるものの、実際に使われるものは少ないことを嘆きながらも、「素子に呼び止められて『すとーっぷ!』って言う台詞は私が勝ち取りました!」と誇らしげな様子。ロジコマの演技については「何も考えずに全力で演じました。現場のスタッフもキャストも『攻殻機動隊』というタイトルを強く意識する中、わたしはあえてそれは考えず、無心で楽しくやることを考えました」と心境を明かした。また、冲方氏や竹内監督によれば、ロジコマの台詞はかなり沢城のアドリブと感性に任せているとのことだった。

最後は坂本が、「『border:3』がどうなるかはまだわかりませんが、皆さまと同じ気持ちで待っています。またお会いできるのを楽しみにしています」と締めくくった。『攻殻機動隊ARISE border:2 Ghost Whispers』は11月30日より公開中。