「第43回東京モーターショー2013」の一般公開を前に、20・21日の2日間にわたり、報道関係者を対象としたプレスデーが開催された。ホンダのプレスブリーフィングでは、話題の軽スポーツカーや新型SUVをはじめ、軽乗用車「N-WGN」などを世界初公開し、さらに「NSX」後継車も日本初公開され、注目を集めた。

オープン2シーターの軽スポーツカー「Honda S660 CONCEPT」がワールドプレミアとなった

F1復帰の2015年、ミッドシップスポーツを2車種投入

今回、ホンダブースの目玉となるのは、以前から話題を呼んでいた2台のミッドシップスポーツモデルだ。1台は次世代軽スポーツカー「Honda S660 CONCEPT」。プレスブリーフィングにて、本田技研工業代表取締役社長執行役員の伊東孝紳氏は、「ミッドシップレイアウトならではの軽快で力強い走り、抜群の安定感に加え、ダイナミックなデザインが特徴」と、そのキャラクターについて紹介した。

オープン2シーターである同車は、「ビート」の後継モデルと目されているが、伊東氏が言及したのは、今年で四輪販売50周年を迎えたホンダが1962年、全日本自動車ショーで発表した同社初開発の四輪車「スポーツ360」。小さなスポーツカーこそホンダ車の原点、というわけだ。「Honda S660 CONCEPT」は2015年に量産化が予定されている。

「NSX CONCEPT」が日本初公開。市販に関しては、先に北米から投入予定だという

もう1台の目玉は、次世代スーパースポーツ「NSX CONCEPT」。3モーターの「SPORT HYBRID SH-AWD」を搭載し、異次元の走りと環境性能を両立したという。こちらも市販モデルの投入は2015年の予定だ。

新F1エンジン開発中の映像を紹介する伊東孝紳氏

2015年はホンダがF1にカムバックする年でもある。伊東氏は、「先日、開発中のエンジンが始動しました。新時代のホンダミュージックにご期待ください」と、その映像や音声とともに期待を煽り、スポーツのホンダを印象づけた。

新型SUVと「N」シリーズ第4弾も

ホンダのプレスブリーフィングでは、その他にもワールドプレミア(世界初公開)モデルが続々と紹介されている。

新型SUV「ヴェゼル」は、エクステリアやコクピットにクーペライクなスタイリングを施し、実用面ではミニバンの使いやすさを融合した、「新ジャンルのクルマ」として提案された。ガソリン車の他にハイブリッド車も設定され、12月20日の発売が予定されているという。

初公開された「ヴェゼル」。ロアボディでSUVの力強さを、アッパーボディでクーペのスタイリングを表現

軽乗用車「N-WGN」も登場。リヤシートが約20cmスライドできるなど、広い室内空間を実現(写真は「N-WGN Custom」)

「N」シリーズ第4弾として、今月22日から販売開始される「N-WGN」も、東京モーターショーで正式にお披露目された。軽ハイトワゴンクラストップレベルの燃費とパワー、そして室内空間を実現しているという。今回の「N」も使い勝手がよさそうだ。

そして、ホンダが展示に力を入れていたのが二輪。1,800ccの大型クルーザー「ゴールドウイング F6C」が世界初公開されたほか、「CTX1300」など18車種の市販予定モデルやMotoGP参戦車などが会場に並び、四輪に負けない存在感を示している。本田技研工業専務執行役員日本営業本部長の峯川尚氏からは、「二輪車市場の再活性化に、行政機関と一体になって取り組んでいく」と力強い表明も飛び出した。

四輪コンセプトモデルとともにステージ上で披露された、1,800ccのストリート・マッスル・クルーザー「ゴールドウイング F6C」

ホンダブースでは、写真の「CTX1300」をはじめ、「CBR650F」など18車種の市販予定二輪モデルが存在感を示している

峯川氏は、2014年春に新しいコンパクトクラスのハイブリッドセダンが発売されること、同年秋に「SPORT HYBRID SH-AWD」を搭載した「レジェンド」が登場することもあわせて発表。プレスブリーフィング、ブースの展示ともに、四輪、二輪、市販車、レースと、あらゆるフィールドで元気なホンダを感じられる内容であった。