年齢が表れる手は健康・きれいにしておきたい

高知県で国内観測史上最高となる41度を記録するなど、例年よりも暑い夏となった2013年。気象の専門家の中には、猛暑が厳冬を導いているという声もあるが、厳冬で気をつけたいことのひとつが手荒れ対策だ。とはいえ、やみくもにハンドクリームを塗れば言いというわけではない。そこで、より効果的な方法を野村皮膚科医院の野村有子院長にうかがった。

手荒れ対策は正しい手洗いから

手荒れ(肌荒れ)は、肌の表面(角層)にある角質細胞がめくれ上がった状態であり、これが痛みを伴うひび割れや亀裂となる。亀裂をマイクロスコープで見てみると、肉眼では見えにくいゴミや糸くずが付着していることも多いという。

手荒れの原因として、間違った手洗い方法も考えられる。寒いと熱いお湯で手洗いをしたくなるが、お湯は必要な皮脂まで洗い流してしまう場合があるため、ぬるま湯程度がちょうどいいという。そのほかのポイントは以下。

・ぬるま湯を使い、こすりすぎない
・ツメの周りや指の間なども忘れずにきちんと石けんで洗う
・ハンドドライヤーは使わない
・手を洗った後は、髪や服で手を拭かない
・清潔なハンカチ以外にも、吸水性の高いハンドタオルを携帯する

手の隅々まで洗った後は、清潔に保つために速やかに水気を拭き取る必要があるが、ハンドドライヤーは指先を乾燥させすぎてしまう傾向があるので注意が必要だ。

ビタミン系・保湿系・尿素系を使い分ける

野村皮膚科医院の野村有子院長

また、ハンドクリームには症状に合わせて使えるように、様々な種類が展開されている。特にひびやあかぎれ対策であればビタミンEを配合したビタミン系を、また、血行改善や水分・油分を補給する保湿系のものを選ぶようにするといい。手のみならず、ガチガチに固くなったかかとや膝(皮膚が角化したところ)には使いたい時は尿素系がおすすめだ。ただし、尿素はひびやあかぎれの部分に染み込むことがあるため、傷がある場合はビタミン系や保湿系を選ぶようにしたい。

かゆみを伴うカサつきや炎症は、医薬品ハンドクリームが効果的だ。医薬品にも尿素系と非尿素系があるが、乾燥からくるカサつき・かゆみのあるカ所に使うなら尿素系、全身の乾燥やそのほかの原因で起こるかゆみ・皮膚炎には非尿素系を使うようにしよう。

ハンドクリームは就寝前に

では、これらのハンドクリームをどう使えばより効果を高めることができるのか。最初の3日間は特にたっぷり塗ることが大切だ。目安としては、指先から人差し指の第一関節までの量(約2g)で、これを両手にしっかりと塗りこむ。症状が気になる部分には重ね塗りをするなど、部位によって量を調整する。

塗るオススメの時間は、寝ながら集中ケアができる就寝前。また、入浴後は手がきれいな上に角質が柔らかいので、通常よりも浸透しやすくなる。さらに、手袋を着用して就寝すれば、べたつきが気にならずに浸透も高まる。

適切なケアができれば、3日目には症状が改善し、7日目には亀裂がふさがるところまで回復させることができる。まずは自分の手洗い方法から見直し、健康的で美しい手を守るようにしよう。