雑誌の表紙風に作られた堺市長選挙のポスター

2013年9月29日、堺市長選挙の投開票が行われる。「大阪都構想」が最大の争点となり、現職と大阪維新の会擁立の新人による一騎打ちなどで大きな話題を呼んでいるが、その裏側で、選挙啓発、特に若年層に向けてのさまざまなPR活動が行われている選挙としても注目したい。

投票率の低下が問題とされる昨今の選挙であるが、堺市は特に若年層の投票率アップをはかるために、京都大学の木下名誉教授に調査書の設計および分析の指導を受け、前回の府知事選における「選挙に関する意識調査」を実施した。

その結果、選挙の啓発活動においてもっとも効果が高い「ポスター」を中心としたPR活動を行うことになり、堺市としては初めて選挙キャラクターを起用。堺市出身の女優・谷村美月を前面に押し出したポスターや電車のジャック広告などが展開されている。

そこで今回、谷村美月をキャラクターとして起用したことにより、どのような反響があったか選挙管理委員会の担当者に伺ってみた。

谷村美月を選挙キャラクターに起用した反響

――選挙キャラクターに谷村美月さんが決まった経緯を教えてください

「谷村さんが堺市出身であり、若年層に知名度が高いことが最大の理由です。フレッシュなイメージも好印象でした」

――チラシや広告、ポスターに対しての実際にどのような反響や声が届いていますか?

「若い方からポスターを入手できないかという問い合わせをたくさんいただいております。若年層の興味関心を引くという狙いがあたり、とても満足しています。一方、年配層の方々からも、『このコは誰?』『起用した理由は?』といった問い合わせがたくさんありましたが、決してネガティブな問い合わせではなく、『素敵なデザイン』といった前向きなものでした」

――これらの反響や声に対して、どのような感想をお持ちですか?

「若年層への反響を期待した今回のポスターですが、意図していなかった年配層からも関心を得られ、谷村さんを起用してよかったと思っています」

――そのほか、若年層の投票を促す施策がありましたら教えてください

「ポスターのビジュアルを起点に、若年層との接触率が高いYahoo!のバナーや、LAWSON POS広告などを実施したほか、実現はしておりませんが、シネアドやタクシーステッカーなども検討しました」

――今後も、選挙キャラクター施策は続けていきますか?

「続けていきたいと思っています」

――最後に、選挙管理委員会から若年層有権者へのコメントをお願いします

「堺市の代表を選ぶ重要な選挙ですので、一人でも多くの市民の方に投票に行っていただけることを期待しています」

こちらは電車の中吊り用ポスター

今回の施策において、ポスター:9,330枚、チラシ:401,000枚が用意されたとのこと。選挙の結果はもちろんだが、若年層の投票率がどのように変化するかについても注目してみたい。