Hotels.comは22日、中国人海外旅行客の動向に関する調査「Chinese International Travel Monitor (CITM)」を発表した。それによると、中国人海外旅行者が2012年に投じた総額は前年より40%以上多い1,020億米ドルとなり、中国がドイツやアメリカを抜いて世界で最も旅行に消費する国となった。

同調査は、中国人海外旅行者3,000人と、世界のホテル従業員1,500人以上に対してアンケートを実施し、その結果をまとめたもの。

従業員アンケートによると、中国人旅行者が宿泊客全体の5%までを占めており、従業員の45%が過去1年にわたって中国人旅行者の増加を実感したと答えた。また、61%がアジア太平洋地域において顕著な増加傾向が見られたと回答した。

従業員は、中国市場について今後3年間は積極的な成長を遂げると予想。伸び率については、ほぼ半数の47%が11~50%と見ているほか、10人に1人は50%以上の成長が望めると見込んでいる。

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中国人海外旅行者へのアンケートでは、海外へ渡航する中国人旅行者の96%は観光目的の滞在で、半数以上の52%は過去にビジネスや勉学目的で他の国に訪れた経験があることがわかった。

中国人旅行者のうち、62%が団体ではなく、個人で旅行することを好むと回答。従業員アンケートにおいても、70%の中国人旅行者が単独で旅行しているとの結果が出ており、個人旅行に出かける中国人旅行者が増えている状況がうかがえる。また、日本人のホテル従業員に、この5年間における中国人旅行者の変化を尋ねたところ、消費額の増加に加え、個人旅行の増加を挙げた人が多かったという。

サービスについては、中国人旅行者の間では、ホテルが提供し得る最大のサービスは中国式の支払方法を受け入れることだと考えられており、26%の中国人旅行者が前述のサービス分野こそ改善の決め手となると回答。加えて、75%が中国語のウェルカム・メモやウェブサイト、テレビ番組、新聞の用意が必要と答えたほか、42%が北京語に堪能なスタッフの常駐を希望していた。

リサーチ・予約方法等については、30%の中国人旅行者が家族や友人から得た情報を最も重要視していた。このほか、ソーシャル・メディアを活用して渡航先を決定した人は27%で、この傾向は35歳以下では33%に上った。