クリーニングを上手に利用するためのQ&A。第6回目のテーマは、「衣類をクリーニング出すタイミングについて」です。今回も「せんたく便」を運営するヨシハラ代表取締役、吉原保氏に、クリーニングの素朴な疑問に答えてもらいました。

衣類をクリーニングに出すタイミングは?(写真はイメージ)

「毎日着るもの」「季節もの」に分類してクリーニングに出す

――今回はまず、「クリーニングはいつ出すのがいいのか?」というところからお聞きしたいと思います。

吉原氏 「日常の中にサイクルを作ることが大事だと思います。たとえば衣料をクリーニングに出すときも、前に頼んだものを受け取れるようにする、といった方法でサイクルが作れるでしょう。そうやって良いサイクルを作っていくことで、清潔で快適な生活ができるのではないでしょうか」

――具体的にはどのようにすればいいのでしょう?

吉原氏 「この期間にこの程度の量をまとめて出す……というような、ある程度の目安のようなものを作っているといいでしょうね。さらにもう1歩進めた活用法として、頻度の違いで2つのグループを作って、それぞれ違うスパンで回していくのもいいと思います」

――グループを作るとは、たとえばどんな風にすればいいのでしょうか?

吉原氏 「毎日着るものと季節ものを分類し、回していくという形に整理するのがいいと思います。ひとつはワイシャツなどのように、汚れやすく1年通して使っていくもの。これはなるべく早いルーティンの中で出して行ったほうがいいでしょう。もうひとつの季節に応じて着る衣料に関しては、シーズン終わりに出していくのがいいと思います。そうすることで、つねに衣類を最適な形で着回せるようになりますよ」

――とはいえ、忙しさなどからサイクルが守れず、汚れたTシャツ・Yシャツなどがたまってしまうこともあります。そんなとき、当面のしのぎとして自分で洗っておき、その後でクリーニングに出す、という方法はアリでしょうか?

吉原氏 「それも良い選択だと思います。とりあえずざっと汚れを落としてもらって、その後でプロに任せていただければ、家庭の洗濯では落としきれなかった残った汚れを取り除けて、よりきれいに仕上げられますから」

――優先してクリーニングに出していくべきものとして、たとえばどんなものが挙げられるでしょうか?

吉原氏 「最優先はドライクリーニングのマークが付いているものです。洋服を購入する時点で、衣料に付いている洗濯表示を確認して、『これはクリーニングに出してメンテナンスをしながら使っていこう』というように、使い捨てではなく長く着ていくものだと考えるのがよいですね。余談になりますが、以前にも説明したボンディング加工品のようなものは、ほぼクリーニングができないので注意が必要です。あらかじめそういうものだと理解して購入することが大切です」

――ところで、あまり知られていないけれど、クリーニングに出すサイクルに組み込むといいものなどはありますか?

吉原氏 「じゅうたんやカーペットといった毎日敷きっぱなしのものは、ダニなどが付いて相当に汚れていますし、家庭で洗うのは難しいでしょう。そういったものはプロに任せたほうがいいかと思います。あとはカーテン。とくにレースのカーテンは、もともと糸が細い上に、紫外線などで大きなダメージを受けているので、家庭の洗濯機で洗うと欠けてしまうことがあるかもしれません。これもクリーニングに出すのがいいと思います。日常生活の中にあるけれど洗っていないものを、クリーニングのサイクルに組み込むのもいいのではないでしょうか」

なるほど。クリーニングを利用するのに日常的なサイクルを作っていくことで、いろいろなことが上手に回っていきそうな気がしてきました。さて次回は、「自分でできる、汚れへの応急処置」について、質問してみます!