講演する坪田氏

大塚製薬が主催したドライアイに関するセミナーが7月30日、都内の南青山クリニックにて開催された。登壇した慶應義塾大学医学部眼科の坪田一男教授によると、ドライアイかどうかは、自分で簡単に知ることが可能だという。キーワードは「まばたき」だ。

「目が渇く」だけがドライアイではない

坪田氏によれば、ドライアイとは単純に目が渇くことだけをさしているのではなく、「目がかすむ」「なんとなく見えにくい」「目が痛い」なども広義の意味では、ドライアイになるという。

ドライアイはまばたきと関係、PC使用時のまばたきの回数は約4分の1に

ドライアイは、まばたきと深いかかわりがある。まばたきが減ることによって、新しい涙の供給量が減る一方で、涙の蒸発量が増え、目が渇いてしまうことで、ドライアイが引き起こされる。

まばたきは、われわれの行動に直結している。例えば、車の運転中のまばたきの回数はリラックス時の半分になり、高速道路を運転している際やパソコンを使用している際には、約4分の1にまで落ち込む。集中度が増せば増すほど、まばたきの回数は減るというわけだ。

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1分間に40回以上まばたきすれば、ドライアイの疑い

では、自分がドライアイなのかどうかは、どう判断すればいいのだろうか。

坪田氏は、1分間のまばたきをカウントすれば、ドライアイか否かを判断できると説明。リラックス時の1分間のまばたきが、20~22回ならば正常。40回以上になると、ドライアイの疑いが強いという。意識的にまばたきの回数を制約することない状況で、自分でまばたきをカウントすれば、ドライアイかどうかを判断できるというわけだ。

座りっぱなしではなく、歩いたり立ったりして、ドライアイの予防を

暑い夏。空調の効いた室内でパソコンを凝視していると、普段より目が渇きがちになるが、どのような対策をとればいいのだろうか。

坪田氏は、「ドライアイ対策として、交感神経よりも副交感神経を優位にさせましょう」とし、リラックスした状態を保つことが大切だと解説。また、座りっぱなしでパソコン画面をのぞかずに、こまめに立ったり歩いたりすることも有効だとした。

ゲストのレーシングドライバー・中野信治氏(左)と対談する坪田氏