会計検査院は30日、企業が国の助成を受けて「事業所内保育施設」を設置する事業について調査したところ、計81施設が廃止や休止状態にあったと発表した。会計検査院は同日、厚生労働大臣に対し、会計検査院法第36条の規定により、改善の処置を求めた。

同事業は1992年度に開始。企業による仕事と家庭の両立支援の取組みを促すことで、雇用の安定を図ることを目的にしている。助成対象は、保育する乳幼児の定員が10人以上(2012年10月から6人以上に緩和)であることなどが要件。設置費等助成金として、設置費や運営費、増築費などの半額(中小企業事業主は3分の2、助成限度額は2,300万円等)を、運営費助成金として、運営開始日から10年間にわたって運営費の半額を助成している。

今回、会計検査院は保育施設の運営状況などを把握するため、1992年度から2011年度の期間に助成が行われた720件のうち、書面を確認できた680件について調査を実施。その結果、2012年9月末時点で、29労働局管内の53施設が廃止、22労働局管内の31施設が休止されていた。このうち、東日本大震災の影響により、廃止または休止した施設は3施設だった。

震災で廃止・休止した3施設を除いた81施設を対象に、運営期間を調べたところ、5年未満が26施設(32.1%)、5年以上6年未満が12施設(14.8%)などとなった。廃止・休止した理由については、「設置等計画通りの乳幼児数が確保できなかったため」が36施設(44.4%)、「事業主等の経営状態や業績が悪化したため」が24施設(29.6%)などとなった。

休止施設の休止期間を調べると、5年以上が15施設(50.0%)となり、中には14年間にわたって休止している施設もあった。

会計検査院は、設置計画の認定において審査が十分に行われておらず、廃止・休止する保育施設が多数生じているとともに、事業主に対して保育施設の休止状態の解消を図るための指導が行われていないと指摘。厚生労働省に対し、助成の審査段階において、利用希望者のアンケートを含む積算根拠資料や財務関係書類を事業主に提出させることなどを求めた。