心に残るエピソードを募集(画像はイメージ)

公益社団法人 全国老人福祉施設協議会はこのほど、今年で6回目になる「介護作文・フォトコンテスト」の作品の募集を開始した。

このコンテストは、介護従事者はもちろん、次代の介護を担う学生や、介護に携わった事のない一般の人の心にも残る、温かい介護エピソードをスペシャルサイトにて募るというもの。

同協議会ではコンテストを通じて、"尊さ"、"魅力"、"やりがい"のある介護の現場をクローズアップしていくことで、介護サービスへのイメージ向上、介護従事者の社会的地位向上、人材不足解消を図ってきたという。これまでに開催した過去5回のコンテストでは、延べ8,000件以上の応募があった。

心に残る介護エピソードを作文、短文、フォト、ビデオで

「第6回 介護作文・フォトコンテスト」スペシャルサイト

募集内容は4部門。第6回目となる今回は、"心に残る介護エピソード"をテーマに、これまでの「作文(エッセイ)部門」「短文(ポエム)部門」「フォト部門」に加えて、音や映像を通じて、さらに介護を身近に感じ、これまで以上に関心を持ってもらうために「ビデオ部門」を新設した。作品(エッセイ)部門、短文(ポエム)部門では、介護福祉やそれぞれの専門分野を学ぶ学生を対象とした学生賞も設けている。

審査には、外部特別審査員として、介護ジャーナリスト、介護福祉士の小山朝子さん、写真家の榎並悦子さん、映画評論家の村山匡一郎さんを迎える。

応募は、郵送(〒105-0003 東京都港区西新橋1-7-13 ナンサ虎ノ門ビル4F)かメール(k-contest@dids.co.jp)、インターネット応募フォームで受け付けている。締め切りは9月16日まで。

また、コンテスト情報を発信するFacebookアカウント、及びTwitterアカウントも開設している。

「いい経験になると思います」 -第5回受賞者・阿部隼土さん

「第5回 介護作文・フォトコンテスト」の「短文(ポエム)部門 学生の部」で最優秀賞を受賞した、介護福祉士の阿部隼土さん

前回のコンテスト(第5回)の「短文(ポエム)部門 学生の部」で最優秀賞を受賞した、介護福祉士の阿部隼土さん(20歳・栃木県在住)に話を聞いた。

【受賞作品】
夢への後押し
実習最後の日 貴方から貰った「あんちゃんで良かった」「頑張ってね」
その言葉があるから介護福祉士になろうと思える

阿部さんが介護の道を志したのは、小学生の頃。

「テレビで介護士さんが働いているところを見て。もともとおじいちゃんおばあちゃんっ子だったこともあって興味を持ちました」

その後進学した介護の専門学校の課題でコンテストに作品を応募したのだという。「いちばん心に残ったことを作品にしました」と当時を振り返る。

受賞の知らせを受けたときは「びっくりしました。まさか選ばれるなんて……!」というのが率直な思いでありながらも、「自分にはこの仕事しかないと感じ、今の職業につく後押し、大きなきっかけになったと思います。この仕事に対してよりいっそうのやる気がわいてきました」と振り返る。

阿部さんは、今年の春から介護福祉士として働いている。「すべて大変。ただ夢中でやっています」と日々忙しそうだが、やりがいを聞くと「利用者の笑顔ですね」と即答。「とくに"ありがとう"という言葉をもらったときはうれしいです」と話している。

これからの目標は「とりあえず一人前になること」。「利用者の気持ちがわかるとか。利用者の気持ちを第一に考えられることが最も大切だと思います」と語った。

第6回 介護作文・フォトコンテスト応募者に向けて、「コンテストは自分にとって非常に貴重な体験でした。いい経験になると思います。作品には自分の素直な気持ちを出すといいと思います」とエールを送った。