近年では外国語を日常的に使う機会も増えてきて、翻訳に興味を持つ人も多いはず。そこで今回は、社団法人日本翻訳協会が運営する翻訳の検定試験「JTA公認翻訳専門職資格試験(旧:翻訳技能認定試験)」についてご紹介します。超難関と言われる試験の難易度などを以下でチェックしてみましょう。

■JTA公認翻訳専門職資格試験とは何か?

JTA公認翻訳専門職資格試験は翻訳技能認定試験(翻訳検定)をバージョンアップさせ、2008年12月より実施されています。英語での名称は「Certified Professional Translator Test」と呼ばれることから、略してCPT試験ともいわれています。翻訳のプロフェッショナルの能力を総合的に審査して認定する、翻訳専門職のための資格試験で、世界に通用する専門能力を判定します。

■JTA公認翻訳専門職資格試験の概要(内容はいずれも2013年現在のもの)

JTA公認翻訳専門職の認定条件:4科目のテストすべてに合格したのち、翻訳実務経験2年の実績審査

対象言語:英語と中国語

実施日:年4回(3,6,9,12月)

試験場所:インターネットによる在宅試験

受験資格:国籍、性別、年齢を問わず

試験科目:
1.翻訳文法技能試験

2.翻訳IT技能試験

3.翻訳専門技能試験
【英語部門(日英/英日)】は以下6分野から1分野を選択

フィクション、ノンフィクション、IR/金融、リーガル、医学/薬学、特許(IT)

【中国語部門(日中/中日)】は以下2分野から1分野を選択

リーガル、ビジネス一般

4.翻訳マネジメント技能試験

参考サイト:社団法人 日本翻訳協会 JTA公認翻訳専門職資格試験

■JTA公認翻訳専門職資格試験の難易度は?

JTA公認翻訳専門職資格試験は非常に難易度が高く、4科目合格者は非常に少なくなっています。1回の試験で1人出るかでないかといった内容で、まさに専門職用の資格試験といえます。4科目を1日で受けなくても1科目、2科目と分けて受験することもできますが、その分取得までは長い期間がかかります。TOEICやTOEFLで高得点を取っていても資格取得は容易ではなく、受験に向けての対策講座を利用したり、専用の書籍を購入したりして勉強する必要があるでしょう。

■JTA公認翻訳専門職取得のメリットは?

JTA公認翻訳専門職は非常に取得が難しい資格なので、翻訳の仕事を行うには非常に有利になるでしょう。企業での契約書やマニュアルの翻訳(ビジネス翻訳)、小説や絵本などの翻訳(出版翻訳)、映画やゲームなどの翻訳(メディア翻訳)など、活躍の場はたくさんあります。将来的にフリーの翻訳家を目指すこともでき、ビジネスの幅も広がります。