アップルは7月16日、音楽制作ソフトの新製品「Logic Pro X」の販売をMac App Storeで開始した。ワークフローに合わせてスムースに操作できるようにユーザインターフェイスを刷新。豊富なサンプル、音源、エフェクトを備え、それらをコントロールするツールも強化された。同日にリリースされたiPadアプリ「Logic Remote」(無料)を使うことで、iPadをLogic Proのコントローラとして使用できる。価格は17,000円。Logic Pro 9からのアップグレードは用意されていない。

2011年6月にFinal Cut Pro Xを発売した時には、iMovieユーザーでもなじめるほどにユーザーインターフェイスを使いやすく刷新したことがプロユーザー軽視という批判を浴びた。Logic Pro Xもすっきりとした見た目になったが、作曲や録音、編集、ミキシングといった作業のフローに沿って操作できるインターフェイスになっており、プロ向けの高度なツールや機能に適切にアクセスできる。ミュージシャンがクリエイティブな作業に集中したいときは隠すことも可能だ。こうした使いやすさはツール群にも反映されていて、例えば新機能のFlex Picthでは1つのツールであらゆるピッチ編集を行える。Track Stacksでは複数のトラックを整理して1つにまとめられ、Smart Controlsでは複数のプラグインパラメータをまとめて調整できる。

音楽制作をスムースに進められるインターフェイス「Logic Pro X」

仮想セッションドラマー「Drummer」

新しいクリエイティブツールの「Drummer」では、プロが演奏し、一流のレコーディングエンジニアが録音したリアルなドラムトラックを録音に利用できる。仮想セッションドラマーと呼べるような機能だ。さらに「Drum Kit Designer」を使うと、ドラムサウンドをミックス・マッチ・微調整して自分独自のカスタムキットを手に入れられる。シンセサイザーやキーボードのコレクション、ギターエフェクトも拡張されており、ベースはBass Amp Designerを使ってビンテージおよびモダンのベースアンプを使った豊富なセッティングを利用できる。

Logic RemoteはMacとiPadをワイヤレスでペアリングし、iPadからLogic Pro Xを操作するアプリだ。iPadがキーボード、ドラムパッド、ギターのフレット、ミキシングボード、トランスポートコントロールに変わり、マルチタッチ操作で演奏、録音、ミキシングを行える。

「Logic Remote」を使ってiPad上でLogic Pro Xを操作

Logix Pro Xのリリースと共に、アップルはLogic Proのライブ演奏用アプリケーションの新版「MainStage 3」もMac App Storeで発売した。価格は2,600円。