富山地方鉄道は29日と7月7日の2日間限定で、旧カラーの「青バス」による運行を実施する。青と白を基調にした外観が特徴的な「青バス」は、かつて同社の路線バスの代名詞といえるほど多く走っていたが、相次ぐ引退で現在は17台のみ在籍している。

富山地方鉄道の「青バス」のうちの1両「富山22こ・200号車」

今回運行する「青バス」は、1991年4月に当時の最新型バスとしてデビューした「富山22こ・200号車」。日野自動車の足回りに富士重工の「17E型」の車体を組み合わせた大型車で、これは全国でもほとんど見られない組合せだという。

非冷房車が多数を占めていた当時としては珍しく冷房を備えており、同社大型路線バスとして初めて四角いヘッドライトを採用したことでも知られる。車内は中央通路が狭い代わりに、背もたれの大きな2人がけロマンスシートが並んでいる。当時はバリアフリー化が進んでいなかったため、ステップを上らないと乗車できないが、その分通常の低床バスとはひと味違った眺めを楽しむことができる。現在は決まったダイヤでの運行は行わず予備車となっているため、走行している姿に出会うのは難しくなっている。

今回の「青バス」運行は、6月29日・7月7日の両日とも1日1往復で、往路は富山駅前14時40分発、復路は神岡16時25分発となっている。運賃は富山~神岡間で片道1,620円、往復2,800円。車内では乗客に粗品が配布される。なお、定期便での運行のため、事前の予約はできず、満席の場合は立席での乗車となる。