東京急行電鉄、東日本旅客鉄道(JR東日本)、東京地下鉄(東京メトロ)、道玄坂一丁目駅前地区市街地再開発準備組合、東急不動産は17日、渋谷駅周辺地区における都市計画の決定について発表した。

原宿側から見た計画建物のイメージ。左側の建物が「渋谷ヒカリエ」で、中央が駅街区の計画建物(東棟・中央棟・西棟)、右側が道玄坂地区の計画建物となる

渋谷駅周辺では、2012年4月の「渋谷ヒカリエ」開業を皮切りに、渋谷駅街区土地区画整理事業および鉄道改良事業と連携した抜本的な再開発を進めている。今年1月、「渋谷駅地区 駅街区開発計画」「渋谷駅地区 道玄坂街区開発計画」「渋谷駅南街区プロジェクト(渋谷三丁目21地区)」の3つの事業に関して、都市再生特別措置法にもとづく都市再生特別地区の都市計画提案を行っており、このほど東京都において都市計画決定がなされたという。

「渋谷駅地区 駅街区開発計画」は東急電鉄、JR東日本、東京メトロが事業主体となり、渋谷駅周辺地区では最大級となるオフィスと商業施設をあわせもつ計画建物を、渋谷駅の直上に建設。東棟・中央棟・西棟の3棟からなり、東棟は高さ約230m(地上46階・地下7階)と、「渋谷ヒカリエ」(高さ約182.5m)をしのぐ建物になる。開業予定は東棟が2020年、中央棟・西棟が2027年。東西の駅前広場をつなぐ自由通路の拡充、アーバン・コアの整備、駅街区と宮益坂上・道玄坂上方面へのスカイデッキの整備なども同時に進められる。

道玄坂一丁目駅前地区市街地再開発準備組合が事業主体となる「渋谷駅地区 道玄坂街区開発計画」では、現在の東急プラザ渋谷付近に高さ約120m(地上17階・地下5階)の計画建物を建設。1階に空港リムジンバスの発着場を含むバスターミナルを導入するほか、中低層部に商業施設、高層部にハイグレードオフィスを計画している。開業は2018年度の予定。

道玄坂地区の計画建物(イメージ)

駅南街区の計画建物(イメージ)

「渋谷駅南街区プロジェクト(渋谷三丁目21地区)」は、旧東横線渋谷駅のホームと線路跡地を利用するもので、東急電鉄および東横線隣接街区の地権者が事業主体となる。高さ約180m(地上33階・地下5階)の計画建物が建設され、2017年度に開業予定。低層部で東急線、東京メトロ線、JR線各線の新設出入口と直接接続される。

駅南街区では、旧東横線渋谷駅を記憶として残すべく、国道246号線をまたぐ東横線の高架を歩行者デッキとして再利用し、旧駅のかまぼこ屋根や目玉型壁面、ゆるやかな線路線形などもデザインの一部に取り入れるという。周辺を流れる渋谷川の環境整備も行うなど、渋谷駅南側のイメージを大きく変える計画となる。

これら3つの事業は、いずれも今回の都市計画決定をもって、開発の計画段階から具体化の段階へと移行することに。「引き続き、魅力ある渋谷のまちづくりを進めることで、東京そして日本の活性化をめざしてまいります」としている。