6月7日(現地時間)、MicrosoftはWindows 8およびWindows Phone 8向けに、同社のWebサービスであるBing Translatorをアプリケーション経由で実行可能にする「Bing Translator」の公開を「Next at Microsoft」など各公式ブログで発表した。

特徴はコンピューターが備えるWebカメラで翻訳したい文書を映し出すと、任意の言語に翻訳できる「カメラ翻訳」や、ネイティブスピーカーの発音で、出来上がった翻訳を耳で聞くことができる「テキスト音声変換」といった機能。もちろんテキスト入力などにも対応し、40言語以上の翻訳に対応している。この他にもオフライン用言語パックを事前にダウンロードすることで、インターネット未接続時も翻訳が可能。Windowsストアアプリ版では、共有チャーム経由で他のWindowsストアアプリに表示されたテキストを翻訳することもできる。

「Windows Experience Blog」に掲載された「Bing Translator」の実行画面

もともとMicrosoftでは、同社研究所であるMicrosoft Researchで音声翻訳技術を研究しており、昨年10月には中国でプレゼンテーションを開催。スピーカーが述べた内容を音声認識で取得したテキストを中国語にリアルタイム翻訳するなど興味深い取り組みを行っている(そのときの記事はこちら)。文中では触れられていないが、同研究所の公式ブログ「Inside Microsoft Research」で「Bing Translator」を記事で紹介していることを踏まえると、同研究所の研究結果が大きく寄与しているのは確実だ。

町中の広告などにカメラを向けることで自国の言語に翻訳するなど、多くの利用シーンが想定できる

既にWindowsストアからダウンロード可能だが、執筆時点で入手できるバージョン1.0.10530.1000の場合、オフライン用言語パックは英語対イタリア語やスペイン語など六種類しか用意されておらず、英語対日本語の同パックは見当たらなかった。今後言語パックが追加されるか否かは、同社のBing Translator担当プロダクトマネージメントディレクターであるVikram Dendi(ビクラム・デンディ)氏の記事でも触れられていないため現時点では不明である。

Webカメラで海外の雑誌を「Bing Translator」に映し出すと、その場に翻訳結果が表示される