内閣府は28日、2013年5月の地域経済動向を発表した。それによると、全国11地域全ての景況判断を2月の前回調査から上方修正した。現行の調査方式で全ての地域が2期連続で上方修正となったのは初。自動車生産の持ち直しや消費マインドの改善が進んだためと見られる。

5月の景況判断 全地域(出典:内閣府Webサイト)

各地域の景況判断を見ると、北海道は「下げ止まっている」から「緩やかに持ち直している」、東北は「持ち直している」から「緩やかに回復しつつある」、北関東は「下げ止まっている」から「持ち直しの動きがみられる」、南関東は「持ち直しの動きがみられる」から「緩やかに持ち直している」、東海は「下げ止まっている」から「持ち直している」に上方修正。

北陸は「下げ止まりつつある」から「緩やかに持ち直している」、近畿は「下げ止まりつつある」から「緩やかに持ち直している」、中国は「下げ止まっている」から「緩やかに持ち直している」、四国は「下げ止まりつつある」から「緩やかに持ち直している」、九州は「下げ止まっている」から「持ち直しの動きがみられる」、沖縄は「緩やかに回復しつつある」から「緩やかに回復している」に上方修正された。

分野別に見た場合、鉄工業生産(2013年1~3月期、季節調整値、以下同)については、東海、北陸では持ち直し、北海道、中国、東北、近畿では緩やかに持ち直した。さらに業種別に見たところ、輸送機械は、内外の自動車需要の持ち直しを背景に東海、中国、東北などで増加、鉄鋼は北海道、近畿などで増加、化学は医薬品を中心に北陸、四国、中国などで増加した。

消費について、消費総合指数の動きを見ると、各地域とも上昇傾向にあり、沖縄で増加、東北で緩やかに増加、北関東、九州で底堅く推移した。大型小売店販売額の動きについては、春物衣料が好調だった3月は全地域で増加したほか、百貨店売上高(商品別)では美術・宝飾・貴金属が大幅増となった。また、2013年1~3月期および4月の乗用車新規登録・届出台数の増減率(季節調整値)は、1~3月期には北海道を除く10地域で増加、4月には全地域で増加した。

雇用情勢については、全地域で有効求人倍率が上昇。新規求人数の動きも全地域で増加し、沖縄、東海、四国、北関東、中国では減少から増加に転じた。併せて、新規求人数の業種別寄与度を見たところ、卸売・小売業、医療・福祉は全地域で増加したほか、建設業は南関東以外の地域で増加、サービス業は北関東と東北以外の地域で増加した。