小田急電鉄はこのほど、2013年度の鉄道事業設備投資計画を発表した。

小田急8000形通勤型車両。車いすスペース、車内LED表示器、自動放送装置を設置するなどのリニューアルが行われる

今年度の同計画は、「輸送力の増強」「安全対策の強化」「サービスの向上」の3つを柱とし、総額258億円の設備投資を実施する内容に。「輸送力の増強」に関して、現在工事中の東北沢~世田谷代田間(1.6km)を含む複々線化を推進するほか、各駅停車の10両化に向けたホーム延伸工事を参宮橋・五月台・黒川の各駅で実施する。

「安全対策の強化」では、代々木上原・本厚木の各駅部と、厚木~本厚木間および多摩線の駅間の高架区間、相模川橋梁で耐震補強工事を実施。急曲線や下り勾配などの制限速度の設定が可能となる、より安全性の高い列車制御システム(D-ATS-P)の全線設置をめざし、江ノ島線での運用を開始するほか、本厚木~小田原間の地上設備工事も進める。運輸司令所から同時に複数の列車との通話が可能なデジタル列車無線の導入に向けた工事も行う。

「サービスの向上」としては、8000形通勤車両8両(4両×2編成)のリニューアルを実施し、車いすスペース、車内LED表示器、自動放送装置を設置する。制御装置の変更と車内照明のLED化により、運行に使用する消費電力を削減するほか、補助電源装置・コンプレッサーなどの床下機器の低騒音化を図るなど環境面にも配慮するという。