財務省は18日、2012年度の貿易統計(速報、通関ベース)を発表した。それによると、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は8兆1,699億円の赤字となった。赤字額は前年度の4兆4,221億円を大幅に上回り、比較可能な1979年以降過去最大となった。

輸出額は、前年度比2.1%減の63兆9,409億円で、2年連続の減少。品目別では、自動車が同7.2%増、自動車の部分品が同6.3%増となった一方、船舶が同15.2%減、半導体等電子部品が同4.6%減、建設用・鉱山用機械が同12.6%減少した。

輸入額は、前年度比3.3%増の72兆1,108億円で、3年連続の増加。品目別では、液化天然ガスが同14.9%増、原粗油が同5.3%増、通信機が同31.9%増などとなった。

2012年度分貿易統計(速報) 総額(出典:財務省Webサイト)

地域別に見ると、対米国は輸出額が前年度比10.4%増の11兆3,963億円、輸入額が同1.5%増の6兆1,108億円で、5兆2,855億円の黒字。輸出額が2年ぶりに増加し、これに伴い黒字額も2年ぶりに増えた。

対EUは、輸出額が前年度比14.1%減の6兆3,910億円、輸入額が同4.5%増の6兆8,150億円で、4,240億円の赤字。赤字は初で、自動車(前年度比22.5%減)や半導体等電子部品(同29.8%減)などの輸出が大幅に落ち込んだことが影響した。

対アジアは、輸出額が前年度比3.3%減の34兆9,122億円、輸入額が同3.2%増の31兆8,885億円で、3兆238億円の黒字。黒字額は2年連続の減少となり、前年度より41.9%減った。

対中国は、輸出額が前年度比9.1%減の11兆3,440億円、輸入額が同3.8%増の15兆3,430億円で、過去最大の3兆9,990億円の赤字。自動車(前年度比26.2%減)や原動機(同33.8%減)などの輸出が減少した一方、輸入額は過去最大を更新した。

同省は併せて、2013年3月分の貿易統計(速報、通関ベース)を発表。それによると、3月の貿易収支は3,624億円の赤字となった。赤字は9カ月連続。

輸出額は、前年同月比1.1%増の6兆2,714億円で、2カ月ぶりの増加。品目別では、有機化合物が同33.8%増、鉱物性燃料が同38.9%増、科学光学機器が同8.9%増となった一方、映像機器が同35.2%減、自動車が同3.4%減、金属加工機械が同15.6%減となった。

輸入額は、前年同月比5.5%増の6兆6,338億円で、5カ月連続の増加。品目別では、原粗油が同7.0%増、液化天然ガスが同8.8%増、半導体等電子部品が同26.8%増などとなった。

地域別に見ると、対米国が5,616億円の黒字、対EUが591億円の赤字、対アジアが5,364億円の黒字、対中国が2,339億円の赤字となった。