英国のスカイトラックス社が運営・格付けする「エアライン・スター・ランキング」で、全日空が「ファイブ・スター(5つ星)」を獲得した。現在、「5つ星」を獲得しているエアラインは世界に6社しかなく、日本勢では初めてとなる。

覆面調査の結果の「5つ星」

同ランキングは空港から機内サービスまで800を超えるカテゴリーについて、「当該エアラインに知らせることなく現場で監査を行い、150を超えるエアラインにその結果を通知」(スカイトラックス・エドワード・プレイステッドCEO)している。つまり、覆面調査を行い、決められた多数の項目を公平に調べて格付けを行う。当然、「サービスレベルが基準をクリアしなければ格下げもあり得る」という厳格な調査。

全日空・伊東信一郎代表取締役社長(当時・中央左)とスカイトラックス・エドワード・プレイステッドCEO(中央右)

全日空は今回、4つ星から格上げされて5つ星を獲得。グローバル・スタンダードなサービスを提供できることが条件の1つだという

この5つ星ホルダーはシンガポール航空、キャセイパシフィック航空、マレーシア航空、アシアナ航空、ハイナン航空、カタール航空とアジアの名立たるエアラインばかり。全日空はここ数年、「アジアでナンバーワンのエアラインを目指してきた。そして今回の受賞である意味それは実現された」(全日空・伊東信一郎代表取締役社長、当時)とし、「『エア・トランスポート・ワールド誌』(米国)では経営面を評価されて『エアライン・オブ・ザ・イヤー2013』を受賞し、今度はサービスが高く評価され、嬉しく誇りだ」と話した。エドワード・プレイステッドCEOは「機内サービスが優れたエアラインは多いが、空港スタッフの質も安定して良いのが全日空の特徴」と評価の一端を明かした。さらに伊東社長(当時)は、「これに満足することなく、世界をリードするエアライングループになるべく新しいビジョンを掲げていく」と今後の抱負についても触れた。

全日空はこの4月から持ち株会社「ANAホールディングス」へ移行し、代表には伊東氏が就任する。どんなビジョンを示してくれるのだろうか。