住宅購入は子どもが生まれてから? それとも前?

住宅購入は、20代からローン返済を始めたほうが最終返済年齢が早くなり、定年退職後のやりくりが楽になりますが、20代では頭金を用意できていないことがほとんどなので、金利負担が大きくなります。

一方、30代になってからローン返済をはじめた場合、頭金を準備してから返済が始められるため、金利負担が少なくなりますが、最終返済年齢が定年後になった場合、老後の不安があります。

なにより一番気になるのは、購入のタイミングを「子どもを生む前にするか後にするか」ということ。そこで今回は、子どもを生んだ後と、生む前にローン返済を始めるのではどう違いがあるのかを、統計局「家計簿から見たファミリーライフ」より見ていきたいと思います。

■幼児関連費が家計を占める割合

「家計簿から見たファミリーライフ」によると、30歳未満の年間幼児関連費は14万3,080円に対し、30代の年間幼児関連費は年間17万6,183円です。30代では子どもにかけられる費用が多くなる分、出費も少し増えることがわかります。

内閣府による「子ども・子育て白書」によると、2010年度の平均初婚年齢が男性30.5歳、女性が28.8歳です。また厚生労働省によると、母親の平均出生年齢は30.1歳です。28歳で結婚した場合には単純に考えて、出生時までの2年で、30~35万貯蓄にまわせる余裕があることになります。また結婚年齢が早い場合は、出生までの期間が長いほど貯蓄に回せるお金が増えます。

■夫婦共働きと、そうでない場合の家計

夫婦共働きの場合の実収入平均は、一カ月58万2,485円が平均となっています。また世帯主のみの場合の実収入平均は48万1,904円となっています。消費支出平均は共働きの場合32万8,224円、そうでない場合は29万4,552円。これに加えて税金や年金負担分を差し引くと、共働きの場合は黒字部分が月平均15万5,000円あり、そうでない場合には9万8,000円の黒字がある計算になるそうです。

このデータは子どもがいる場合も、いない場合のものも家計支出も含まれているため、子どもがいるかどうかの比較はできませんが、少なくとも共働きの方が月5万7,000円の余裕が生まれることがわかります。実際にはすべて貯蓄に回せるお金ではありませんが、子どもが生まれるまでの期間が2年としたら、136万8,000円の差が共働きかそうでないかで出てくるともいえます。

■子どもが生まれるまでは、頭金がためやすい

共働きの場合の黒字額と幼児関連費の有無だけを考えても、子どもがいない場合には単純計算で2年間166万8,000円~171万8,000円ほどの余裕ができる計算になります。

住宅ローン返済開始については、子どもが生まれるまでは頭金をためることに集中し、返済を開始するのは子どもが生まれてからの方が、資金計画面で見ても有利かもしれません。

ただし、子どもを生む時期については計算通りに行かないのも事実。まずはいつ子どもが生まれてきてもいいように、頭金をしっかり準備してから返済プランを練っていくのが大切だともいえます。