AKB48の篠田麻里子が19日、福岡市がPRの一環として開設した仮想の行政区「カワイイ区」の区長を退任することが、同日付の福岡市の発表により明らかになった。

4件の苦情がもとで「カワイイ区」の区長を退任することになった篠田麻里子

福岡市は昨年8月、同県出身の篠田を8番目の行政区となる「カワイイ区」の区長に任命した。柔和で穏やかな魅力を発信するべく"カワイイ"をコンセプトとし、観光のみならず産業振興の狙いもあった。メールアドレスで登録することで誰でも区民になれる手軽さが好評で、2013年2月1日時点で4万1,559人が区民となっていた。

しかし、「カワイイ区は男女差別を助長するものではないか」など4件の苦情が寄せられたことがきっかけで、これまで同市の男女共同参画審議会で議論が続けられてきた。福岡市は退任の理由を、「カワイイ区=篠田麻里子さんというイメージが定着した中、カワイイ区に関するこのような議論と直接関係のない篠田麻里子さんに、これ以上ご迷惑をかけるわけにはいかないとの判断から、本日をもって区長をご退任いただくことになりました」としている。後任は未定。

また、福岡市はこの「カワイイ」の定義について、「幼いもの、小さいものに対する愛着の感情を表すのみならず、『愛すべき』や『心を和ませる』などの意味として、女性の方だけではなく、あらゆる人や動物、もの、さらには動作やしぐさに対しても使われる素晴らしい言葉」と説明。4万人の区民や協賛企業、団体に向けて「たくさんの方に多大なご心配をおかけしましたことを、心からお詫び申し上げます」と謝罪している。