映画『ひまわりと子犬の7日間』の完成披露試写会が6日、東京・丸の内ピカデリーで行われ、キャストの堺雅人、中谷美紀、でんでん、若林正恭(オードリー)、吉行和子、近藤里沙、藤本哉汰と平松恵美子監督が出席した。

映画『ひまわりと子犬の7日間』の完成披露試写会に出席した堺雅人(右)と中谷美紀

同作は、宮崎県の保健所で起きた親子犬と職員の実話を元に、山田洋次監督の共同脚本・助監督を20年間務めてきた平松恵美子監督が映画化したヒューマンドラマ。妻を亡くしてから2人の子どもたちを育ててきた神崎(堺)が勤める動物保護管理所に、ある冬の日、母犬と子犬3匹が収容される。母犬は子犬を守ろうと人間を激しく威嚇し、人間に触らせない。人を噛まないことを証明しないと里親に引き渡せないため、神崎は短い収容期間の中で母犬の心を開かせようとするが――というストーリーで、映画は3月16日から全国公開。

出身地である宮崎県を舞台にした同作に堺は「宝物のような作品になった。たくさん泣いて笑って、心がホカホカしてもらえれば」とアピールし、平松監督は「スタッフ、キャストのみなさんを丸ごとひっくるめて愛しい作品になった。“愛情の連鎖”が形になりました」と感慨深げ。イベントには、母犬のひまわりを演じたイチも登場し、犬好きの堺は「イチが頑張ってるので、初っ端から釘付けになると思う」と笑顔を見せつつ、「大竹しのぶさんや中谷さん級の女優だと聞いていたので、畏敬の念を込めて接しました」と多数の映画に出演する女優犬に敬意。一方、動物が苦手なことを明かした映画初出演のオードリー・若林は「休憩中に一生懸命慣れようと頑張った」と少しは克服したようだが、「イチとは撫でたりする仲になったけど、すぐ離れていっちゃう」と寂しげな表情を浮かべた。

左から、平松恵美子監督、でんでん、中谷美紀、堺雅人、若林正恭(オードリー)、藤本哉汰、吉行和子、近藤里沙

同作ではキャスト陣が宮崎弁に挑戦しているが、撮影中は堺による宮崎弁の厳しいレクチャーがあったようで、中谷が「でんでんさんと私は苦労しましたよ~」と吐露すると、でんでんは「堺さんがスーッと寄って来て『イントネーションが違います』と怒られた」と明かし、吉行も「先生を前にしてるみたいで、とても嫌でしたね」と恨み節。堺は「宮崎の訛りを一流の人たちがやってくれたのが、うれしくて……。僕以外は素晴らしくて4,000万点です!」と共演者たちに平身低頭して笑いを誘っていた。また、撮影中に停電になった時のエピソードが中谷から語られ「昼食のおソバに付いてた卵焼きを堺さんにお持ちしようとしたら、真っ暗い部屋の中で1人でご飯を食べてらして。ホラー映画みたいですごくドキドキしました」と明かすと、堺は「だって停電だったから!」と苦笑いしていた。