普通に生活していると「石を買う」なんてことは滅多にありませんが、趣味でガーデニングをやっていたりすると「石がほしいなあ」なんてことも。石のお値段を調べてみました。

石を買う時、趣味の場合……

たかが石ですが、されど石。自分でどこかに行って採石するのでなければ、「購入」しないといけません。最近ではガーデニング用品を置いてあるお店で、土や石も販売していますね。

小さな石ですとそんなに高価ではありません。

  • 天然の粗石……1袋で1,000円ぐらいから

門柱から玄関までのアプローチなどに使う、表面が平らになっている「板石」はちょっと高価です。

  • 板石……1枚1,000円ぐらいから

1枚でこのお値段なので庭にアプローチを作る場合にはかなりの枚数を買わないといけません。ちょっと趣きのある石の場合は、同じ「板石」でも1枚1,500円など価格が上がります。

  • 庭に敷く玉砂利

花壇やアプローチで「砂利がほしいね」なんて時用に「玉砂利」も売っています。

  • 砕石ベースの砂利石……約20kgで1,000円ぐらいから

  • ほとんど真っ白の砂利石……約20kgで1,500円ぐらいから

  • 艶のあるきれいな砂利石……約20kgで2,000円ぐらいから

  • 丸くごろっとした砂利石……約20kgで2,500円ぐらいから

他にも、階段を石積みで作りたいとか、石垣みたいなものを作りたいなどの用途に使う、大きなブロック状の石も販売しています。たぶん買っても1人では持ち上げられないでしょうが……(笑)。

  • ウォーリング(壁作り)用のブロック状石……1個約500kgで3万5,000円ぐらいから。

ウォーリングなどの場合には大量の石が必要になるため、パレット販売というのがあります。同種の石をパレット(フォークリフトで運ぶあれです)に積載して販売するのです。

  • ウォーリングやアプローチ用の石のパレット販売……10万円/tぐらいから

1tの買い物というのがスゴイですね。

もっと大きな石はいくらか?

ドーンと日本庭園に置くような、もっと大きな「庭石」の価格を調べてみたところピンキリでした。

庭に置いて椅子として使いたいような、幅75cm×奥行き60cm×高さ40cmの石が3万円とそんなに高くありません。しかし、幅100cm×奥行き200cm×高さ150cm、重量1t以上の堂々たる石は40万円もします。

「庭石」の世界は大変に奥が深く、大きさ、石の種類のほかに、「美しさ」という判断基準が入ってくるため、ピンの価格を見るとキリがないとのこと。

また、造園業者さんに聞いてみたところ、1t以上の重さになると運ぶのも大変で、チャーター便を使用しないとならないそうです。

某造園業者さんに聞いてみました。

――日本庭園に置くような大きな石は実際いくらぐらいするものなんでしょうか?

それはね、もう本当に「言い値」の世界です。「何とも言えない美しい形」は、「じゃあいくら」って言われても困るもんね(笑)。まあ、普通は……1t未満だと、2万円未満のものもあるし、高くても15万円まででしょう。1tを超えるものだと50万円ぐらいまでじゃないでしょうか。普通はね。

――普通じゃない大きさの石の注文はないんでしょうか?

ごくまれにありますよ。5t以上とかね。でもね、そんな石の在庫を持ってる方が珍しいもの。同業さんに声をかけたりとか、探しに行くとかになるね。

――買った石っていうのは転売できたりしますか?

それは無理でしょう。業者でも買わないんじゃないかな。例えば、庭に石を置いて庭園を造ったとしますよね。でも車庫を作らなくちゃいけなくなって庭を壊す、と。実際にある話なのよ。二世帯住宅にするからとかさ。で、庭石を撤去するとしても、その庭石を買い取る人いないもの(笑)。

作庭した旦那さんが「えーっ」って言うけど、逆に撤去料を支払わないと持って行ってはもらえないよ。それを引き取っても困ることの方が多いものね。

日本で最高に高価な石は!?

否応なく石を購入しなくてはならない場合があります。「墓石」です。墓石の価格は、石の種類によって大きな影響を受けます。

墓石用の石で、日本最高と言われる、最も高価な石をご存知でしょうか? 四国で採れる「庵治石」(あじいし)です。

石を販売する際の体積の単位を「才」と言います。1才は30cm×30cm×30cmの立方体で、墓石用の石の価格は日本全国「1才いくら」で言われます。ヨーロッパ産で最高級品と呼ばれる石と比較して、「庵治石」は最低でも9-10倍の才単価だそうです。

なぜ「庵治石」を用いると高価になるかというと、希少性に加えて加工に手間がかかるからです。現在、墓石はほとんどすべてが中国製ですが、「庵治石」だけは日本で加工します。磨いて美しい石の目を出すためには、熟練の職人の腕を必要とするからです。

「庵治石」の墓石には熟練職人の手間賃が入っているというわけです。


石なんて自然にあるもんだから安いんだろ、と思ったらそうでもないようです。ただ、「1tで30万円の石です」と言われても、もう高いんだか安いんだかわからないですよね。

(谷門太@dcp)