富士通研究所は21日、PC画面に携帯電話のカメラをかざすだけで、該当PCの画面に表示されているファイルを携帯端末に自動転送する技術を開発したと発表した。これにより、例えば会議中プレゼン資料が投影されているスクリーンを複数の人が同時に撮影し、該当資料を個々の携帯電話にダウンロードするといった活用法を見込んでいる。

今回開発された技術は、PC画面を携帯電話やタブレットで撮影するだけで、撮影されたファイルのデータを、携帯端末側に自動転送できるというもの。

PC端末のIPアドレスやSSIDといった、ネットワーク上にあるPC単体を識別できる情報を、目に見えないほどのごく微小な点滅の組み合わせとして、PCの画面上に表示。これを携帯端末側のカメラで識別することにより、被写体のPCを特定できる。

ファイル転送技術では、PC側にインストールされた専用ソフトウェアが、PC画面のファイルを監視。携帯電話からのファイル転送要求があると、PC画面の最前面に表示されているファイル情報を自動的に抽出し、FTPSなどセキュアなファイル転送プロトコルを利用して携帯端末に自動転送する。

同社では本技術により、例えば会議中にスクリーンに表示されるプレゼン資料を閲覧メンバーが同時にダウンロードしたり、携帯電話で撮影した写真をPCへ転送するといった活用法を想定。今後、PC画面から携帯電話への通信速度を改善し、2014年度中の実用化を目指すという。

なお、同技術は、2013年2月25日から28日までスペインのバルセロナで開催する展示会「MWC 2013 (Mobile World Congress 2013)」に出展される予定だ。