書斎のような、個室のような

新シートを搭載した機体には「JAL SKY SUITE 777」のペインテング

日本航空(以下、JAL)は年明けから新しいコンセプトのサービスをスタートするが、その新しいシートが設置された飛行機が20日、報道陣に公開された。

ファーストクラス「JAL SUITE(JALスイート)」は現在の世界最大級であるベッドサイズを維持しつつ、「住まい」というキャッチフレーズの通りの上質なインテリアを採用。上質な木目調の"家具"をあしらい、書斎や寝室のようなパーソナルな空間となった。

ファーストクラスの寝具はテンピュール製。TVモニターは23インチ。エンターテインメント・コントローラーは液晶タッチパネル式

ビジネスクラス「SKY SUITE(スカイスイート)」は"個室感"がかなり高いプライベートな空間。全座席が直接通路にアクセスできるストレスのない配列となっている。水平型の完全フルフラットシートであり、足置き下やモニター下テーブルなど収納スペースの多さも快適さを増す要因となっている。

ビジネスクラスのパーテーションは「開閉」が可能で、開ければ隣席との会話ができるよう配慮。TVモニターはファーストと同じ23インチ。コントローラーも同じく液晶タッパネル式

すべてのクラスがグレードアップ

プレミアムエコノミー「SKY PREMIUM(スカイプレミアム)」は現行より10cm拡大した、同クラスで世界最大級のシートピッチ(座席の前後間隔)を実現。アームレスト(肘掛け)もビジネスクラスをほうふつとさせる広さで、FIXED BACK構造(前の席の背もたれが倒れて来ない構造)のため、圧迫感を感じにくいのも特徴だ。

プレミアムエコノミーでもシートピッチは107cmもある。TVモニターは12.1(最前列は8.9)インチ

エコノミークラス「SKY WIDER(スカイワイダー)」はシートをスリムにすることで足元のスペースを最大約10cm拡大。ネット式のペットボトルホルダーやスマートフォンホルダーなどを配し、収納性も向上させている。

エコノミークラスの座席幅は従来より2cm拡大。TVモニターは10.6インチ

実際に機内に入るとすべてのクラスで、より高級感とくつろぎを与えるインテリアになったことを実感した。新シートが搭載した飛行機、ボーイング777-300ERは2013年1月9日の成田 - ロンドン線に導入され、成田 - ニューヨークなど欧米線に順次拡大していく。

エコノミークラスも高級感と寛ぎの空間を演出

運航に携わる全スタッフの制服を一新

また今回、2013年上期中に着用が始まる新しい制服も披露された。客室乗務員はもちろん、パイロットから地上スタッフ、整備、搭載・貨物作業スタッフの運航に携わる全部門の制服を一新。デザイナーには自社ブランド「KEITA MARUYAMA」をはじめとするファッション界をはじめ、ミュージシャンや俳優、舞台衣装など幅広い分野で活躍する丸山敬太氏を起用。「美しいデザイン、吟味された機能性、そしておもてなしの心を体現した新制服を創りあげた」としている。

左から男性客室乗務員、一般客室乗務員用の上着着用、同上着なし、専任客室乗務員(チーフ)

濃紺を基調としたノーブルなジャケットとワンピースに鮮やかな赤をアクセントとして随所に配色。品のある客室乗務員の制服に仕上がった

機内食も一新。ファーストクラス(写真)とビジネスクラスでは有名シェフと料理プロデューサーが空の上のレストラン「スカイオーベルジュ BEDD(ベッド)」をコンセプトに食事を考案

ある客室乗務員は、「スマートで美しい。いろいろなところにJALのロゴである『鶴丸』があしらわれていることで、社員が一緒に頑張っていこうと思える制服」だと語っている。さらに、記者会見で日本航空代表取締役社長・植木義晴氏は、「これだけの制服でありながら素材などに工夫をし、徹底したコスト削減を行った」と胸を張った。