米Appleが2013年に米国で一部のMacの製造を本格的に開始する。AppleのTim Cook氏 (CEO)が、米NBCのニュースキャスターBrian Williams氏のインタビューで断言した。

NBCは報道番組「Rock Center」で、6日夜にCook氏のインタビューを放映する。予告として、Rock CenterのWebサイトでインタビューの一部を公開した。

Appleは今年、同社が製造を委託するFoxconnの製造施設の労働環境問題、改善しない米失業率の問題に関して、批判の矢面に立たされることがあった。Cook氏は、プロセッサやガラスなど数多くの米国メーカーの部品や米国企業の技術を使用し、Apple製品のエコシステムが数多くの雇用を米国で生み出していることを指摘した上で、来年には製造も米国で開始する計画を明かした。

中国に比べると、米国の賃金は高い。Appleは価格の競争力を維持したまま、Macのコスト上昇を受け止められるのだろうか。Williams氏が大胆に「中国から完全に引き揚げて、すべての製造を米国に移すことはできないのですか?」と聞くと、Cook氏は「価格はそれほど大きな問題ではなく、むしろ技能が問題なのです」と答えた。家電製品の製造が米国の外に移ってから長い時間が経ち、製造スキルが米国から失われた。米国での一部のMacの製造は、それを取り戻す第1歩になるという。

すでに米国製造の準備は進んでいる模様で、11月末に販売開始となった新しいiMacを分解したiFixitが一部に「Assembled in USA (米国組み立て)」と印刷されていることを報告して話題になった。

インタビューでは、前CEOのSteve Jobs氏の影響。「Steveならどのようにしたと考えるな。思うとおりにやれ」とJobs氏に言われたことへの感謝、自身のAppleの舵取りについても語っている。またCook体制になってからの2つの不安材料、iOS 6のマップのトラブルと、iOSデバイスのコネクタの変更に対するサードパーティやユーザーからの不満の声についてもコメントしている。さらに噂が絶えないテレビについては「リビングルームでテレビに電源を入れると、20-30年前に戻ったような気分になる」と述べ、「これ以上は話せないが、そこに強い関心を抱いている」とした。