Fusion Driveを搭載するMac miniを入手したArs TechnicaのLee Hutchinson氏(シニアレビューエディタ)が、「Fusion Driveに関するわれわれの推測が正しかったことが明らかになった。ハードディスクドライブとSSDを1つのボリュームにまとめるテクノロジに"Core Storage"が用いられている」と報告している。同氏は10月31日に、Jollyjinxが一般的なHDDとSSDを使ってFusion Drive同様の機能を構築した実験から、Core StorageのみでFusion Driveのようなシングルボリュームが実現可能であることをレポートしていた。

Fusion Driveは高速なSSDと容量に優れたHDDを1つのボリュームとし、大容量でありながら、ユーザーがひんぱんに使用するOSの機能やアプリケーションをSSDから高速に実行できるようにする。Appleが10月のスペシャルイベントで発表したものの、テクノロジーについて公開された情報が少なく、様々な疑問が飛び交っていた。例えば、専用のハードウエアが不可欠なのか。実際にデータを移動させる階層化技術なのか。それともキャッシングを用いたソリューションなのか。それならばIvy Bridgeで追加されたIntelのSmart Responseテクノロジが用いられているのか。古いMacでは機能しないのか、等々だ。

そのような中で、JollyjinxがCore Storageを使い、diskutil (コマンドライン版のディスクユーティリティ、GUI版でFusion Driveを扱うには同ドライブと共に提供され始めた最新版が必要)で設定して、SATA接続の120GB SSDとUSB接続の750GB HDDを1つのボリュームにまとめてFusion Driveのように機能させた実験の結果をブログで公開した。Jollyjinxが作成したボリュームにSSDのサイズよりも大きな合計140GBのダミーを置くと、MacはSSDを優先して書き込み、残りをHDDに配置した。完了後、HDDに置かれたファイルの読み込みを実行した。終了後、ファイルシステムがアイドル状態になると、SSDの書き込みが始まり、およそ14GB分のファイルがHDDからSSDに移された。前回と同じファイルの読み込みを繰り返すと、USB接続ではなく、SSDのスループットで読み込みが行われるようになった。

書き込みのふるまいがSmart Responseテクノロジとは異なることから、同テクノロジは用いられていないと思われる。Hutchinson氏は当初、Fusion Driveはソフトウエアとハードウエアを組み合わせたソリューションだと予想していたが、Jollyjinxの実験からOSベース(OS X 10.8.x以上)の機能であるという推測に至った。Jollyjinxは「古いMacにFusion Drive? 可能だ」としている。

AppleのFusion Driveは128GBフラッシュドライブと、1TBまたは3TBのHDDの組み合わせ

Hutchinson氏のFusion Driveを搭載したMac miniは、SSDとHDDの容量の合計から復元用のパーティションを除いたものが1ボリュームとして扱われているという。同氏は来週にFusion Driveの詳細を含むMac miniのレビューを公開する。