歌手の前川清、山田優らが27日、東京・新宿武蔵館にて行われた映画『旅の贈りもの 明日へ』の公開初日舞台あいさつに出席した。

左から須磨和声、山田優、前川清、酒井和歌子、清水くるみ、前田哲監督

観客に拍手で迎えられた前川清は、最初はにこやかだったものの、マイクを持つと憮然とした表情で「別に…」。女優・沢尻エリカのモノマネに、会場からはどっと笑い声が起こった。笑顔に戻った前川は「これを1回やりたくて。いつもペコペコしているものですから、そういった生き方もいいなぁと思って。気持ちが良うございました」と念願叶って満足しているようだった。

前川にとって本作は、32年ぶりのスクリーン復帰となる作品で初めての主演作。定年後、42年ぶりに桜の絵手紙を手にとり、別れの意味を探す旅に出る男・仁科孝祐を演じた。前川は「私も64になりました。サラリーマンだと定年になる頃ですよね。いずれは死が訪れるわけですけど、第2の人生をいかに楽しむか、そういう部分をこの映画から見つけてほしいです」と作品に込めた思いを語った。

劇中ではウエディングドレス姿を披露した山田優。今年の3月に俳優・小栗旬と結婚したばかりだが、丁度その頃、本作の撮影時期とも重なっていたのだという。山田は「役柄と気持ちがすごくリンクする部分があったので、自分のことも思い出しながらこの作品と向き合いました」と語り、「見終わったあとに心が温かくなる作品ですので、みなさんぜひ楽しんで帰って下さい」と観客にアピールした。

この日の舞台あいさつには前川と山田のほか、酒井和歌子、清水くるみ、須磨和声、前田哲監督が出席。本作が俳優デビューとなったバイオリニストの須磨和声は、「全く右も左もわからないまま現場に入って、言われるがまま監督にも怒られ…」と緊張の現場を振り返りながら、「でも、小さい頃から映画が大好きで。おじいちゃんの代から映画の看板描きだったので、2歳の頃から毎週映画を見ていました。当時は俳優になりたいなんて思わなくて、サウンドトラックの方に興味がいき、音楽の道に進むことになったんです」と映画との意外な関係を明かした。