インテルは23日、将来の実現を目指す機能も含む、Ultrabookの最新機能を紹介する記者説明会を開催した。

Ultrabookは登場から1年を経て、現在、世界中ではUltrabookが140製品発表され、メーカー各社から様々な製品が市場に出揃い、中には、既存のクラムシェル型の本体形状にとらわれないユニークな使い道を提案する製品なども登場しはじめている。同社マーケティング本部長の山本専氏は、中でも「コンバーチブルUltrabookに期待している」と述べている。

インテル マーケティング本部長 山本専氏

タッチ操作の新ユーザーインタフェースが特徴のWindows 8にあわせて、クラムシェルからタブレット形状へと変化できるコンバーチブル型のUltrabookは、今期のUltrabook新製品の中でも注目度が高い。山本氏は、「コンバーチブルは、(タブレットとクラムシェルの間をつなぐ)真ん中の製品なのではないかと思っている。ユーザーの利用形態にあわせて、柔軟に活用できるので、そこに期待している」と話す。

モビリティと生産性を両立させ、タブレットとクラムシェルの間を埋めるコンバーチブル型Ultrabook

今回の説明会では、「これからのUltrabook」をイメージできるものとして、その、コンバーチブル型が注目される最新のUltrabookへの搭載から、近い将来の今後のUltrabookでの実現を目指す技術までを、米Intelのコンシューマー・チャネル・グループ テクニカル・セールス & アーキテクチャー・イネーブリング担当ディレクターであるポール・リーツィー氏が披露した。なお、将来の技術については、コンセプトの意味合いも強く、テクノロジ的に精度が低いものも含まれてはいるが、それらはIntelが将来目指す方向として据えているものだとして、紹介があった。

米Intel コンシューマー・チャネル・グループ テクニカル・セールス & アーキテクチャー・イネーブリング担当ディレクター ポール・リーツィー氏

その技術はおおきく4つのポイント、「直感的」「快適」「安全」「つながる」というキーワードに沿って紹介された。

4つのポイント、「直感的」「快適」「安全」「つながる」

まずは直感的というポイントから、タッチ操作によって実現する直感的なユーザーインタフェースの技術デモが披露された。スマートフォンやタブレットの普及もあり、ユーザーは既にタッチ操作に慣れ親しんでおり、コンバーチブルUltrabookとの相性も良好だ。デモでは、Windows 8が搭載されたUltrabookで、応答速度に優れた精度の高いタッチ操作が実現できていることがアピールされた。Windows 8のタッチUIを利用したソフトウェア開発は、Intelも多くの企業と共同開発に取り組んでいるとしており、これまでになかった、タッチを利用したアプリケーションの普及が見込めると説明している。

スムーズなタッチ操作によって実現する直感的なユーザーインタフェースのデモ

また、センサ類の内蔵も直感的インタフェースの可能性のひとつで、内蔵したモーションセンサを利用したゲームの操作。内蔵カメラでXbox 360のKinectのようにユーザーを認識して、ジェスチャーコントロールでゲームのキャラクターを操作したり、同じく内蔵カメラを利用したVRのデモも披露された。ほかにも、Siriを開発したNuance Communications社の開発した音声認識ソフトを使い、ボイスコントロールでUltrabookのアプリケーションを利用するデモなども披露された。

内蔵カメラで紙に書いたハンドルを認識させ、ゲーム内のレーシングカーのハンドルを操作するデモ

内蔵カメラを利用し、Kinectのようなジェスチャーコントロールで、ゲーム内のキャラクターを動かしている

快適、というポイントでは、旧世代のPentiumプロセッサを搭載するA4ノートPCと、最新のIvy Bridge世代のCoreプロセッサを搭載するUltrabookを用意し、これは現行の技術ではあるが、インテル・スマート・レスポンス技術によるストレージ速度の高速化や、インテル・クイック・シンク・ビデオ技術を用いたトランスコードの劇的な高速化などの比較デモが実施された。

Pentiumノートと最新Ultrabookの比較ベンチマークを実施

安全、というポイントでは、紛失時の遠隔ロック機能を可能にするインテル・アンチ・セフト技術を用いて、Ultrabookを遠隔ロックする様子が実際に披露された。また、Ultrabookでは初めてNFCを搭載した東芝製Ultrabookを使い、NFC対応のクレジットカードと、アイデンティティ・プロテクション技術を搭載したUltrabookで、NFCの通信を通してペアリングして、セキュリティレベルを上げたオンライン・ショッピングができることが実演された。

NFCを利用して安全なオンラインショッピングができるというデモ

つながる、というポイントでは、Intel WiDi技術を使ったワイヤレスのビデオ転送のデモが披露された。Ultrabook側で4種類のビデオを同時再生している状態で、WiDi経由で大画面TVに映像を転送して、HD品質でのスムーズな映像再生ができていることが紹介されていた。

当日の説明会会場には、各社の最新Ultrabookがズラリと並べられていた

最新Ultrabookの体験、今週末から国内各都市でスタート

ほか、インテルでは、今週末の10月26日より3週連続で、福岡を皮切りに、札幌、名古屋の各都市をめぐり、Windows 8世代のUltrabookなど、最新Ultrabookを体験できるユーザーイベントの開催を予定している。各開催日時と会場などは以下の通り。

■福岡会場
日時 2012年10月26日(金)~28日(日)の3日間 各日12時~18時
場所 JR博多シティ 1F ハの字エスカレーター横
■札幌会場
日時 2012年11月2日(金)~4日(日)の3日間 各日12時~18時
場所 JR札幌駅 西コンコースイベント広場
■名古屋会場
日時 2012年11月10日(土)~11日(日)の2日間 各日12時~18時
場所 JR名古屋駅 中央コンコース内 イベントスペース