米国の非営利団体「ジェネレーション・オポチュニティー」は23日(米国時間)、11月に迫った米国大統領選を控え、米国若年層の意識調査の結果を発表した。同調査は、7月27日~31日の期間にインターネット上で行われ、18~29歳の米国人男女1,003人から有効回答を得た。

同調査で、米国の国家安全に対する最大の脅威について尋ねたところ、最も多かったのは「国の負債」で59%。以下、「エネルギーの依存」が46%、「海外諸国に対する債務」が43%、「テロリズム」が40%、「イランのように核開発が可能な国家」が33%と続いた。また、62%の若年層が、米国の財政優先度を決定する機会を得られた場合、石油、天然ガス、石炭など国産のエネルギー源の増産を考えていることが分かった。

中国のような海外の競争相手に米国の雇用が流出していくことを懸念している割合は71%。現在、多くの企業が中国やカナダなどに拠点を移転し米国を離れていることから、オバマ大統領は米国の雇用回復と拡大のために米国企業への課税を低減するべきだという意見に同意した若年層は72%だった。

米国の雇用が中国のような海外の競争相手に流れている理由を聞くと、「海外の賃金の安さ」が最多で69%。次いで、「米国の高い法人税」が41%、「米国内での企業に関する規制の多さ」が30%、「米国での起業と企業成長の機会の欠如」が28%となった。一方、「米国内に雇用が流出しているとは思わない」は2%、「分からない/判断できない」は6%だった。

このほか、4月に実施した調査によると、2000年代に成人となった若年層のうち、76%が中国を危険だと見ており、48%は経済的脅威として、28%は経済的および軍事的脅威として考えていることが明らかになった。

エレイン・L・チャオ労働省長官の下、米国労働省首席補佐官を務めていた経験を持つ同団体代表のポール・T・コンウェイ氏は「もし米国が今後も過去数年間と同じ道を歩む場合、米国の若年層は将来的に米国が世界のリーダーとしての役割を維持できないのではないかと非常に心配している。(中略)彼らは中国を米国に対する経済的、軍事的な脅威と捉え、中国の経済政策、軍事強化、宇宙探査、インターネットと言論の自由に関する規制について注視している」と分析。

続けて「効果的に競争し、中国をはじめとする諸外国へ国内雇用が流出することを回避するために、オバマ大統領は米国企業に対する税金の引き下げと規制緩和を行うべきだと彼らは確信している。若年層の間では、現在の政策は前進ではなく後退を進めていると圧倒的多数が思っており、来たる大統領選挙に自らの声を反映させようとしている」と述べている。