19日から公演する舞台『悼む人』の最終舞台稽古が東京・渋谷のPARCO劇場で行われ、主演の向井理はじめ小西真奈美、手塚とおる、伊藤蘭、真野恵里菜、演出の堤幸彦が報道陣の取材に応じた。

舞台『悼む人』の会見に出席した向井理(左)と小西真奈美 拡大画像を見る

本作は、原作となる天童荒太の直木賞受賞作『悼む人』を、映画監督の堤幸彦が初めて舞台化。全国を放浪し、死者を悼む旅を続ける坂築静人(向井理)を主人公に、彼の旅に随伴するかつて夫を殺した女の倖世(小西真奈美)、人間不信の雑誌記者・蒔野(手塚とおる)、静人の母・巡子(伊藤蘭)、子供を身ごもる静人の妹・美汐のドラマを描く。

本作が舞台2作品目となる主演の向井は「難しいですね。まだ迷っているところもありますし、確立されたキャラクターではないので、その迷いを抱えながら答えを見つけずにやっていければいいかな~と思っています」と難解な舞台を感じながらも余裕のあるコメント。その一方で、8年ぶりの舞台出演となる小西真奈美は「相手役ということよりも、自分のことで精一杯。8年ぶりもそうなんですが、いろいろやらなければいけないので、日々精一杯です」と苦笑いを浮かべ、真野も「稽古で毎日悩み、みなさん本当に演技が素晴らしくて一人置かれているのではないかと焦りもありました」と同舞台の難しさを痛感しながらも「みなさんのお芝居を見させていただいて凄く勉強になります。この舞台が終わる頃には『変わったね』と言われるように頑張りたいです」と意欲を見せていた。

同舞台は19日の東京公演を含め、全国11カ所で公演。向井は「これだけ地方公演があるのもなかなかありませんし、キャストも少ないですから一つになっていく感じが楽しめそうです」と語り、「楽しみは食べ物とお酒。それしかないでしょ(笑)」と地方での夜の楽しみに思いを馳せていた。

また、17日に亡くなった若松孝二監督についてコメントを求められた堤監督は「尊敬していたので本当に残念です」と沈痛の言葉。さらに「自分も年齢を重ねてきたので、社会的な映画を作っていきたいと思います。先輩の死を無駄にしたくないですね」と死を悼んだ。

左から真野恵里菜、伊藤蘭、向井理、小西真奈美、手塚とおる、堤幸彦

舞台『悼む人』は、10月19~28日に東京・PARCO劇場、10月31日~11月4日に大阪・森ノ宮ピロティホール、11月6・7日に広島・アステールプラザ大ホール、11月9~11日に名古屋・中日劇場、11月13~15日に福岡・キャナルシティ劇場、11月17、18日に松山・松山市総合コミュニティセンター・キャメリアホール、11月21日に松本・まつもと市民芸術館・主ホール、11月24、25日に札幌・札幌市教育文化会館・大ホール、11月27日に仙台・電力ホール、11月30日~12月2日に新潟・りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館・劇場、12月7~9日に横浜・KAAT 神奈川芸術劇場でそれぞれ開催される。