大ヒット小説『ハリー・ポッター』シリーズの作者J・K・ローリングが、過去に同シリーズの「ディレクターズ・カット版」を執筆する誘惑にかられていたこと、そして初の大人向け小説となった著書『ザ・カジュアル・ベイカンシー』について語っている。

今年5月にはその著作活動を認められて、フリーダム・オブ・ザ・シティー・オブ・ロンドンを受賞したJ・K・ローリング (C)BANG Media International

まず「ハリー・ポッター」シリーズ執筆当時、急いで書かされていたというローリングは、物語を完璧に終わらせる時間がなかったとBBCニュースのインタビューに答えている。

「いくつかの『ハリー・ポッター』では、絶対にあと1年くらい必要なことがあったのよ。急いで書かされたし、かなりしんどい時もあったのは確かね。だから、自分で読み直してみると、『困ったわ、ストーリーに戻ってディレクターズ・カット版を書きたいくらいよ』って思うの。でもそういった辛いコンディションで書いた自分を誇りに思ってるのよ。どんなに大変だったか想像できる人なんていないでしょうね」

また、ローリングは9月27日に初の大人向け小説『ザ・カジュアル・ベイカンシー』を出版しており、同新刊はアダルトなテーマや罵り言葉なども含まれるため、子ども向けではないと念を押している。「これは子どものための本ではないと周知しておいた方がいいわね。この小説を書き始めた時、自分の大好きな19世紀の小さな地域社会を舞台にしたものの現代バージョンだと悟ったのよ。会話に罵り合いも含まれるけど、ある意味これが『ザ・カジュアル・ベイカンシー』のテーマよ。社会が抱え込んでいる閉鎖的ものを見つめること。これが私の書きたかったことね」

さらにローリングは、『ザ・カジュアル・ベイカンシー』後の新作は恐らく若い世代向けの作品に回帰するとも述べている。「たぶん次の作品は子どもたちのための本ね。私としてもとても大好きな子ども向けの本があるの。『ハリー・ポッター』の層よりもうちょっと若めの子どもたちかもしれないわ」

そんなローリングは、現在世界的なベストセラーになっている官能小説『フィフティ・シェイズ・オブ・グレー』は読むことはないだろうとも語っていた。

(C)BANG Media International